## 1. Anytypeとは
Anytypeは、スイスのAny Associationが開発する**ローカルファースト・エンドツーエンド暗号化**のナレッジマネジメント&コラボレーションアプリである。NotionやObsidianの代替として注目され、メモ、ドキュメント、タスク管理、データベース、チャットを一つのプライバシー重視プラットフォームに統合している。[^1][^2][^3][^4]
主な特徴は以下の通り:
- **ローカルファースト**:データは主にデバイス上に保存され、インターネット接続なしでも完全に動作する[^5]
- **エンドツーエンド暗号化**:暗号鍵はユーザーのみが保持し、Anytype開発チームですらデータを読むことができない[^6]
- **オープンソース**:コアプロトコルのAnySyncはオープンソースで、GitHubで公開されている[^7]
- **クロスプラットフォーム**:Windows、macOS、Linux、iOS、Androidに対応[^8][^1]
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## 2. 基本概念
Anytypeを理解するには、以下の5つのコア概念を押さえる必要がある。
### 2.1 Vault(ボールト)
Vaultは、Anytypeにおけるアカウント全体の最上位コンテナである。1つのアカウントに1つのVaultが対応し、その中に複数のSpaceを作成できる。Vaultへのアクセスはニーモニックフレーズ(12単語のリカバリーキー)で管理され、BIP-39標準に準拠している。[^9][^6]
> **⚠️ 重要**: このリカバリーキーを紛失すると、データの復旧は一切できない。必ず安全な場所に保管すること。[^10]
### 2.2 Space(スペース)
Spaceは独立した作業環境で、個人用、仕事用、家族用など目的別に分けることができる。各Spaceは独自のオブジェクト、タイプ、プロパティを持ち、他のSpaceとは完全に独立している。[^3]
- **プライベートスペース**:自分だけがアクセスできるスペース
- **共有スペース**:他のユーザーを招待して共同編集できるスペース[^11]
- **デフォルトスペース**:アカウント作成時に自動的に作られるスペース(共有不可)
Free会員でも最大10の共有スペースと無制限のプライベートスペースを利用できる。[^12]
### 2.3 Object(オブジェクト)
Anytype内で作成するすべてのコンテンツは「オブジェクト」と呼ばれる。メモ、ページ、タスク、ブックマーク、人物、書籍など、あらゆる情報がオブジェクトとして存在する。各オブジェクトは独立した情報単位であり、ブロックベースのエディタで編集する。[^4][^13]
### 2.4 Type(タイプ)
タイプはオブジェクトの「種類」を定義する。Anytypeにはデフォルトで以下のようなタイプが用意されている:[^9]
- Page(ページ)
- Note(メモ)
- Task(タスク)
- Bookmark(ブックマーク)
- Diary Entry(日記)
- Human(人物)
ユーザーは独自のタイプを自由に作成でき、例えば「レシピ」「読書メモ」「議事録」「プロジェクト」など、用途に合わせたカスタムタイプを定義できる。[^14][^3]
### 2.5 Property(プロパティ)
プロパティ(旧称: Relation/リレーション)は、オブジェクトの属性を定義したり、オブジェクト間の関連を作成したりするための機能である。[^15][^16]
プロパティには2つの役割がある:[^17]
1. **属性の定義**: タスクの「ステータス」(完了/未完了)や「優先度」(高/中/低)など、オブジェクトの特性を設定する
2. **接続の定義**: オブジェクト同士をリンクする。例えば、タスクに「関連プロジェクト」プロパティを追加して他のオブジェクトと紐付ける
プロパティのデータ型には、テキスト、数値、日付、チェックボックス、セレクト、マルチセレクト、オブジェクト参照、URL、メール、電話番号などがある。
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