Antibiotic Therapy for 6 or 12 Weeks for Prosthetic Joint Infection
Citation
New England Journal of Medicine, 2021; 384: 1991–2001
概要
フランス28施設で実施された多施設オープンラベル無作為化非劣性試験(DATIPO試験)。対象は、適切な外科的処置(デブリードマン+インプラント温存、1期置換、2期置換)を受けた微生物学的に確認された人工関節感染症患者404例。抗菌薬投与期間6週間群(n=203)と12週間群(n=201)を比較し、主要評価項目は治療終了後2年以内の同一菌種による持続感染発生率。
主要結果
持続感染発生率:6週群18.1% vs 12週群9.4%(差 8.7%、95%CI 1.8〜15.6)
非劣性マージン(10%)を超え、非劣性は証明されず。
サブグループ解析では全体的に12週群が良好で、特にデブリードマン+インプラント温存例で差が大きかった。
副次結果
新規感染率や重篤有害事象発生率、入院期間、機能予後には群間差なし。
非重篤な有害事象(消化器症状や真菌症)は12週群で多かった(59.7% vs 47.3%、p=0.01)。
C. difficile感染症は両群とも稀。
結論
人工関節感染症に対する6週間の抗菌薬投与は12週間投与に比べ非劣性を示さず、持続感染リスクが高かった。特にデブリードマン+インプラント温存例で差が顕著であり、この術式では12週間投与が推奨される可能性がある。一方、置換手術例では差が小さく、今後の追加研究が求められる。