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Candida parapsilosis complex in the clinical setting

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Nature Reviews Microbiology, vol. 22, pp. 46–59 (2024)

論文の要約
本レビューは、Candida parapsilosis を中心とする複合体(C. parapsilosis sensu stricto, C. orthopsilosis, C. metapsilosis)による感染症に関して、病原性、診断、薬剤耐性、治療上の課題について包括的に解説している。

このグループはカテーテル関連血流感染や新生児集中治療室での院内感染の原因となりやすく、特にエキノカンジン系抗真菌薬に対して自然耐性または獲得耐性を示す事例が増えている。加えて、フルコナゾールに対する耐性クローンの出現も報告されており、治療の選択肢を狭める要因となっている。

診断精度向上のためには、種レベルでの鑑別が必要であり、分子診断法やMALDI-TOFによる迅速識別が重要視されている。治療戦略としては、新規薬剤や既存薬の併用療法に加え、バイオフィルム形成の抑制を考慮したアプローチが模索されている。

本レビューは、臨床微生物学、感染症治療、薬剤耐性対策に携わる医療者にとって、C. parapsilosis複合体の管理と今後の課題を再考する上で極めて有用な内容である。