Oral Versus Intravenous Antibiotic Therapy for Staphylococcus aureus Bacteremia or Endocarditis: A Systematic Review and Meta-Analysis of Randomized, Controlled Trials
Citation
Clin Infect Dis. 2025 Jan 15;80(1):29–36. doi: 10.1093/cid/ciae476.
概要
本研究は、Staphylococcus aureus菌血症または感染性心内膜炎に対する経口抗菌薬治療の有効性と安全性を、静注治療と比較することを目的としたシステマティックレビューおよびメタアナリシスである。検索の結果、基準を満たしたランダム化比較試験は4件にとどまった。
解析対象となった患者は経口治療群204例、静注治療群186例であり、主要アウトカムである治療失敗率は両群とも11.3%で差を認めなかった(リスク比0.99、95%信頼区間0.63–1.57)。有害事象に関しても、経口群17.0%、静注群19.8%と大きな差はなく、統計学的有意差は示されなかった。ただし、有害事象解析では異質性が高く、結果の精度には限界があった。
結論として、既存のRCTの統合解析からは、慎重に選択された一部の患者において、静注から経口への切り替えは有効かつ安全である可能性が示された。しかし、対象患者数は限られており、疾患状態の多様性もあるため、経口治療を routine に推奨するにはさらなる大規模RCTが必要である。