Adjunctive Fosfomycin for the Treatment of Staphylococcus aureus Infections
Citation
Clinical Infectious Diseases (2024)
論文の要約
本論文は、Staphylococcus aureus感染症に対する治療として、ホスホマイシンを標準治療に補助的に併用する戦略の有効性を評価した研究である。著者らは2件のランダム化比較試験の個別データを統合し、ベイズモデルおよび古典的解析法を用いたメタ解析を実施した。
その結果、ホスホマイシン併用により、臨床的成功率および微生物学的除菌率が改善する可能性が示された。特に重症感染例や治療困難な部位の感染においては、治療効果の向上がより顕著である傾向が見られた。ただし、統計的には不確実性が残り、すべての解析で有意差が認められたわけではなかった。
本研究は、ホスホマイシンのような既存薬を併用することで、難治性S. aureus感染症への治療選択肢を拡張できる可能性を示す一方で、今後の大規模臨床試験やリアルワールドデータによる検証の必要性も指摘している。