Dolutegravir or Darunavir in Combination with Zidovudine or Tenofovir to Treat HIV
Citation
New England Journal of Medicine, 2021; 385:330–341
概要
サハラ以南アフリカ7施設で、非ドルテグラビル系一次治療が失敗したHIV-1感染成人患者464例を対象に、二次治療としてドルテグラビル(DTG)+2剤NRTIとダルナビル(DRV/r)+2剤NRTIの比較、さらにNRTI部分としてジドブジン(AZT)とテノフォビル(TDF)の比較を、2×2因子無作為化非盲検非劣性試験で評価。全例にラミブジンを併用した。主要評価項目は48週時点でのHIV-1 RNA <400コピー/mL達成率(非劣性マージン12%)。
主要結果(ITT集団)
DTG群:90.2%(212/235) vs DRV群:91.7%(210/229)
差 −1.5%(95%CI −6.7〜3.7)で非劣性達成、優越性なし。
TDF群:92.3%(215/233) vs AZT群:89.6%(207/231)
差 2.7%(95%CI −2.6〜7.9)で非劣性達成、優越性なし。
ベースラインで活性NRTIが予測されない症例でも、両群とも90%以上がウイルス抑制を達成。
副次結果
ウイルスリバウンド:DTG群6.0%、DRV群5.7%。
DTG耐性は4例(いずれも高レベルまたは中等度)、DRV耐性は検出されず。
CD4増加は両群同等(約+150/mm³)。
有害事象、重篤有害事象、死亡(計5例)は両群ほぼ同等。AZT群では貧血による中止が2例。
結論
一次治療失敗後の二次治療として、ドルテグラビル+2剤NRTIは、ダルナビル+2剤NRTIに対して非劣性であった。また、テノフォビル継続はジドブジンへの切り替えに対して非劣性であり、WHO推奨のNRTIスイッチを簡略化できる可能性がある。一方で、ドルテグラビル耐性出現のリスクがあり、長期的な耐性サーベイランスが重要である。