Letermovir vs Valganciclovir for Prophylaxis of Cytomegalovirus in High‑Risk Kidney Transplant Recipients
Citation
JAMA, 2023; 330(1): 33–42
概要
CMV-seronegativeの腎移植患者がCMV-seropositiveドナーから移植を受けた場合に、標準治療であるバルガンシクロビル(Valganciclovir)に代えて、骨髄移植での予防薬として承認済のレテルモビル(Letermovir)が同等のCMV疾患予防効果を示すかを検証した二重盲検・非劣性第III相RCT。2018〜2021年に94施設で実施され、最大200日間の予防を行い、52週までのCMV疾患発症を評価した。
主要評価項目(52週までのCMV疾患発症)
Letermovir群:10.4%
Valganciclovir群:11.8%
群間差は−1.4%(95% CI −6.5〜3.8%)、非劣性マージン内であった ウィキペディア+12PubMed+12JAMA Network+12。
副次評価項目・探索的評価
28週までの定量的CMV DNA血症率は、レテルモビル群2.1% vs バルガン群8.8%で有意に低かった。
抵抗性関連遺伝子変異は、レテルモビル群で0例、バルガン群で8例(12.1%)で認められた。
白血球減少や好中球減少(至28週)の発生率は、レテルモビル群26% vs バルガン群64%と大幅に低かった(差 −37.9%、95% CI −45.1〜−30.3%、P < .001)。
安全性・忍容性
予防中止率(有害事象による):レテルモビル群 4.1%、バルガン群 13.5%。
薬剤関連有害事象による中止率:レテルモビル群 2.7%、バルガン群 8.8% PubMed。
結論
CMV-seronegativeの高リスク腎移植患者において、レテルモビルはバルガンシクロビルに対し非劣性を示し、骨髄抑制(白血球・好中球減少)を有意に少なく抑え、忍容性も高かった。CMV予防の新たな第一選択肢として極めて有用である。