Description

Efficacy of Ceftazidime-avibactam Plus Aztreonam in Patients With Bloodstream Infections Caused by Metallo-β-lactamase–Producing Enterobacterales

Citation
Clinical Infectious Diseases, 2021; 72(11): 1871–1878

概要
イタリアとギリシャの3病院で、メタロ-β-ラクタマーゼ（MBL：NDMまたはVIM）産生Enterobacteralesによる菌血症患者102例を対象とした前向き観察研究。患者はセフタジジム‐アビバクタム（CAZ-AVI）＋アズトレオナム（ATM）併用群（n=52）と、その他の有効抗菌薬（OAA）群（n=50）に分けられた。

• 主要評価項目（30日全死亡率）

  • CAZ-AVI＋ATM群：19.2％

  • OAA群：44％（p=0.007）
    多変量解析ではCAZ-AVI＋ATM治療が独立して死亡リスクを低減（HR 0.17, 95％CI 0.07–0.41）。

• 副次評価項目

  • 14日目臨床失敗率：CAZ-AVI＋ATM群 25％ vs OAA群 52％（p=0.005）

  • 入院期間：CAZ-AVI＋ATM群で有意に短縮（sHR 0.49, p=0.007）

  • 薬剤性急性腎障害：OAA群 20％ vs CAZ-AVI＋ATM群 1.9％（主にコリスチン使用に関連）

• 補足
  傾向スコアマッチ解析でも同様の有効性と安全性が確認され、特にコリスチンベースレジメンは死亡率・腎障害リスクともに高かった。

結論
CAZ-AVI＋ATM併用は、MBL産生腸内細菌科による菌血症において、他の有効抗菌薬に比べて明確な生存利益と臨床的成功率の向上を示し、安全性も良好であった。現時点で有望な治療選択肢であり、さらなる研究で至適投与法や適応の確立が望まれる。