The urgent need for metallo-β-lactamase inhibitors: an unattended global threat
Citation
Lancet Infect Dis. 2022 Jan;22(1):e28–e34. doi: 10.1016/S1473-3099(20)30868-9.
概要
β-ラクタム系抗菌薬は臨床で最も広く用いられ、耐容性と有効性に優れた重要な薬剤群である。しかし、β-ラクタマーゼによる耐性の出現が治療を困難にしており、これに対抗するためのβ-ラクタマーゼ阻害薬が導入された。現在使用されている阻害薬は主にセリン型β-ラクタマーゼにのみ作用し、メタロ-β-ラクタマーゼ(MBL)には効果がない。それにもかかわらず、MBL産生菌は世界的に広がりを見せ、カルバペネムなどβ-ラクタム系全域への耐性をもたらしている。COVID-19パンデミック期における抗菌薬の過剰使用はMBL耐性菌の拡大をさらに助長している可能性がある。本パーソナルビューでは、MBL阻害薬の研究開発の進展と未解決の課題について概説している。MBL阻害薬という、依然注視を欠いたグローバルな公衆衛生上の脅威への対応が急務であることを強調する内容である。