Tafenoquine versus Primaquine to Prevent Relapse of Plasmodium vivax Malaria
Citation
N Engl J Med, 380(3):215–241 (2019)
論文の要約
本多施設ランダム化比較第III相試験(DETECTIVEおよびGATHER試験)は、ラテンアメリカ、アフリカおよびアジアの複数国から参加したG6PD正常なP. vivaxマラリア患者を対象に、タフェノキノン単回投与(300 mg)とプリマキノン14日間投与(15 mg/日)およびプラセボの効果と安全性を比較したものである。
主要評価項目として、6ヶ月間の再発率が設定され、プラセボと比較して両治療群は有意に再発を抑制した。再発抑制効果はプリマキノン群が約70%、タフェノキノン群が約62%で、タフェノキノンはプリマキノンに対して劣後非劣性の基準は満たさなかった。
安全性評価では、両群とも有害事象発現率に大きな差はなかったが、タフェノキノン群では軽度から中等度の血色素低下が一部で認められた。また、G6PD欠損者における使用は禁忌であり、事前のG6PDスクリーニングが必須とされた。
試験の意義としては、タフェノキノンは単回投与への利便性を有し、治療開始後の服薬遵守率の改善や再発予防の実効性向上につながる可能性がある。その一方で、プリマキノンに対する非劣性を示せなかったことから、さらなる用量検討や忍容性の調査、G6PDスクリーニング整備を含めた導入体制の構築が求められている。
本試験は、P. vivax 再発予防薬としてタフェノキノンが示す実用的ポテンシャルを示しながらも、現行標準治療との比較において明確な利点を確立するための検証が継続して必要であることを示唆している。