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Serial insulin and C-peptide concentrations following high-dose insulin for the treatment of drug poisoning: a consecutive case series

Clinical Toxicology, 2026, DOI: 10.1080/15563650.2026.2613033

背景と目的薬物中毒による心原性ショックの治療には高用量インスリン療法(HDI)が用いられるが、投与中止後も高インスリン血症が持続し、低血糖を引き起こすリスクがある。過去の報告ではインスリンの消失半減期が最大18.8時間と長く、24時間以上の監視が必要とされることもあった。本研究の目的は、HDI中止後のインスリンおよびC-ペプチド濃度の推移を測定し、インスリンの消失半減期を明らかにすることである。

方法薬物中毒でHDI(0.5単位/kg/h以上)を受けた患者10名を対象とした連続症例シリーズを実施した。HDI中止後、血清インスリンおよびC-ペプチド濃度を連続的に測定した。非線形回帰分析などを用いて、インスリンの血漿消失半減期を算出した。

結果対象となった10名(主にカルシウム拮抗薬やベータ遮断薬の中毒)のうち、HDI中止後に低血糖を発症した例はなかった。インスリンの消失半減期の数値(中央値)は1.8時間(範囲:1.23〜9.8時間)であり、過去の報告よりも大幅に短かった。症例の多くで、HDI中止から24時間以内に高インスリン血症が解消した。また、血中のインスリン濃度が高い状態であっても、血糖値の上昇に伴ってC-ペプチド濃度(内因性インスリン分泌の指標)も上昇することが確認された。

結論HDI中止後のインスリン消失半減期は、従来考えられていたよりも短いことが示された。C-ペプチド濃度の測定は、過剰なブドウ糖投与を特定し、治療の離脱(ブドウ糖投与の減量)を適切に進めるための指標として有用である可能性がある。

内的妥当性

外的妥当性