Listen

Description

1.タイトル What intensivists need to know about cytomegalovirus infection in immunocompromised ICU patients

2.Citation Intensive Care Med (2025). https://doi.org/10.1007/s00134-024-07737-5--------------------------------------------------------------------------------要約がん治療や移植医療の進歩に伴い、免疫抑制状態にある患者が集中治療室(ICU)へ入院する機会が増加しています。こうした患者において、サイトメガロウイルス(CMV)感染症は予後を左右する重大な因子です。

感染と疾患の定義と診断: CMVの「感染(ウイルスが検出される状態)」と「疾患(ウイルスが組織に侵入し臓器障害を引き起こす状態)」は明確に区別される必要があります。診断には定量PCR(qPCR)が広く用いられますが、体液中でのウイルス検出だけでは組織侵入を伴う疾患を完全には証明できません。確実な診断には、臨床症状に加えて組織病理学的な確認が求められる場合があります。

臨床症状と影響: ICUで最も深刻な病態はCMV肺炎であり、高い死亡率を伴います。また、下痢や出血を引き起こす消化管疾患、脳炎、網膜炎なども重要です。さらに、CMVは直接的な臓器障害だけでなく、免疫系への影響を通じて他の細菌や真菌による二次感染のリスクを高め、血栓性微小血管症(TMA)などの致命的な病態を引き起こす間接的な影響も持ちます。

リスク要因: 主なリスクグループは、造血幹細胞移植(特に同種移植)や固形臓器移植のレシピエント、高度な免疫不全を伴うHIV感染者、悪性腫瘍患者、および高用量ステロイドや特定の免疫抑制剤を使用している患者です。

治療と管理: 治療の第一選択薬はガンシクロビルですが、副作用として腎毒性や血球減少に注意が必要です。既存薬に耐性がある場合や治療に反応しない場合には、マリバビルなどの新しい抗ウイルス薬の使用が検討されます。また、高リスク患者に対しては、発症を未然に防ぐための「予防投与」や、ウイルス量が一定の閾値を超えた時点で治療を開始する「先制治療」を適切に行うことが不可欠です。集中治療医は、原因不明の発熱や臓器不全を呈する免疫不全患者において、常にCMV疾患の可能性を疑い、早期の診断と介入を行うことが重要です。