Listen

Description

1.論文のタイトルEvaluating patients with chest pain in the emergency department

2.CitationBMJ 2025;388:r136

3.論文内容のまとめ胸痛は救急外来を受診する患者の約5%を占める非常に一般的な症状である。診断の幅は広いが、生命に関わる急性冠症候群(ACS)を迅速かつ正確に特定または除外することが極めて重要である。

評価の核となるのは、詳細な病歴聴取、身体診察、12誘導心電図、および高感度心トロポニン(hs-cTn)測定である。心電図は受診から10分以内に実施すべきであり、ST上昇型心筋梗塞(STEMI)などの診断に不可欠である。hs-cTnは、従来の検査よりも低い血中濃度を高い精度で検出できるため、受診から1〜3時間以内という早期の臨床判断を可能にした。これに基づき、0/1時間や0/2時間アルゴリズムを用いた迅速な除外・診断プロトコルが推奨されている。

また、HEARTスコアやEDACS、T-MACSといった構造化されたリスク層別化ツールの活用が推奨されている。低リスクと判定された患者は、追加の精密検査なしで安全に帰宅させることが可能であり、不要な入院や検査の削減につながる。一方で、中間リスクの患者に対しては、冠動脈CT血管造影(CCTA)などの解剖学的評価や、負荷心エコーなどの機能的評価を検討する必要がある。

さらに、女性や高齢者におけるACSの非定型的なプレゼンテーションや、診断・治療における性差や社会経済的な格差についても注意を促している。最終的な意思決定においては、患者にリスクや費用、代替案を説明し、患者の意向を反映させる共同意思決定が倫理的・法律的にも重要である。

4.批判的吟味(内的・外的妥当性など)