コロナとエイプリルフールとわたし。ものすごい最初の方声小さいね。【全部ひとりごと】今は4月2日。日本に少し帰国したのはちょうどバレンタインデーのときだった。
10日間滞在して。そのときはまだ日本でのコロナウイルスの広がりを心配していて(とはいえあんまりマスクとかしなかったし、バーとかクラブとか、飲食店含め、いろんな人が集まる場所に行ってた。そしてイタリアでこんなコロナウイルスが広がるなんてその時は思ってもいなかった。そしてイタリアに帰ってきたのは2月の25日位。空港についたのは8時位だった気がする。もうこの時点でちらほら普段マスクをしないイタリア人の5%くらいがマスクをしていたのを覚えてる。そして明らかに人が少なかったのも。。。荷物が重かったのと少し疲れていたこともあったので、中央駅からタクシーに乗ることにした。いつもは大行列ができているタクシー乗り場もガラガラ。こんな感じか…と思いつつも、まだこのときも日本のほうがコロナウイルスやばいんだろうなーとかのんきに思ってた。タクシー乗り場で先頭に止まっていたタクシーの運転手さんに乗せてとお願いしたが…私の顔を見て見事に断られた。アジア人だからとかっていうのは人の好みだから、もう差別っていうか普通にあることなんだよね。。でもそれに上乗せして、コロナ。アジアからアジア人が持ってきたコロナ。ミラノの人はそう思ってたから乗せてくれなかったんだと思う。その後ろにはマスクもしていない運転手さん。無表情で乗せてくれた。その時の私は、アジア人だからという差別だと思いこむが故、それに対しての怒りが大きかったのを覚えてる。悔しい思いでいっぱいだった。私の中では、アジア人はヨーロッパ人より美しくもないし、英語力も低いし、なんとなく人としての価値が低いってうイメージがあって、(これは私の大きな偏見で、大きな間違い)そういうふうに彼らから思われているんだと思いこんでただただ怒りを感じてた。
その次の日から、コロナの状況は次第に悪くなっていく。3月のはじめ、イタリアの政府からの発表は最初は、日本みたいに外出を控えてねっていう程度だった。だからみんなバーで飲んだり、公園で遊んだり、レストランに行ったり。その時は一日に大体二桁の人が感染して、一桁の人が死んでいた。そこから毎日その数字は大きくなっていった。1週間経つと、完全に外出禁止令が出た。不要不急の外出は罰金200€(もし警察に声をかけられたらね)。このルールが決まってからも私はへーーーー、そうなんだ。としか思わなかったし、ビザ更新のために外に出なければいけないことが多かったから、郵便局やら、その他の契約やらで外に出ていた。今思うととても怖いことしてたな。そして更に一週間後には、人との距離を1.5m以上取らせなさいというルールができた。これはお店の中とかバーでね。この頃くらいから、スーパーの入場人数制限がかかり始めた。外には大行列。1.5m以上のインターバルをきれいに開けたイタリア人の行列。すごく不謹慎かもしれないけれど、今まで列を作るってことを日常的にしてこなかったイタリア人が、きれいに間隔を取って列をなしている姿は、、、、なんとも言えない光景だった。ルールなんて守るものなの?って感覚の人たちが、いきなりちゃんとルールを守り始めた瞬間だった気がする。それはなんだか少し面白く感じながらも、緊張感がはんぱじゃなかった。それだけ人々が危機感を感じてるってこと。
そして感染者数、死者数がどんどん増えていった。一日大体4000−5000人の人が感染し、その10%の人が死んでいく。4月の頭には、130000人の人が感染していて、その10%なくなっている。もしコロナがなかったら、まだまだ生きることができた人たちが死んでいくのを数字で見るのは、ただただ苦しく、誰かもわからないその生命がなくなっていく虚しさをただ感じた。
不要不急の外出に関して、ルールは更に厳しくなっていった。200€だった罰金は3000€まで上がった。そして、2人以上の外出、または人との接近距離が1m以内の場合を警察に発見された場合は5000€の罰金。そして、体調を怪しまれ、検査され、陽性ならば牢屋行き。嘘じゃなくて。本当に。人を殺そうとした罪と同じだけのバツを受け、それ相当の犯罪歴がつくことになる。
なんでそこまでするんだろう、、、、じゃなくて、そこまでする必要のあるウイルスなんだってことを理解しろよっていうメッセージ。これをどれだけしっかり受け止めるか。自分の持つ人格が試されるときだなと思うばかりだった。そしてこの頃、日本ではオリンピック開催延期が決まった。1年後。それで平気なのかな?ほんとに1年でどうにかなることなのかなって、思った。このオリンピック開催延期が決まる前まで、日本のコロナ感染者数、死者数は不思議なほど低かった。私が日本に行ってた10日間は、日本に行ったらコロナになるぞ−ぐらいに言われてたのに。あっという間にイタリアの数字は日本の数字の1000倍くらいを叩き出したわけ。なんだろうこの不自然な感じって思ってた。一時は、ヨーロッパのメディアが、日本ってすごいね、日本ってすごい予防ができる国なんだね、日本ってコロナに関しての知識が豊富で、素晴らしいねって、その数字だけを評価してた。私はこの評価されてる感じが気持ち悪くて仕方がなかった。本当じゃないって思ってたから。その評価も多分3日も持たなかったかな。ん?なんかおかしくない?すごく不自然じゃない?って、すぐ感じ始めたみたいで。コロンビア大学の誰かは、日本は博打のようなことをしている。要は数字を隠しているって言い始める人も出てきたりした。私はそのとおりだと思ってた。
で、やっぱり、オリンピック開催延期が決定した翌日から、どんどんどんどん感染者数が上がっていった日本。今じゃあ1日100人くらいが感染してるよね?なんで最初からコロナってあぶないよって、外に出ちゃいけないよって、ちゃんと国民に伝えなかったの?そして数字が増え続ける今も、なぜ人々の行動範囲をしっかりコントロールしないの?マスク2枚配って満足しちゃうの?世界でどんな緊張感が広がっているかわかっていないのは日本だけ。もしこのまま日本の感染者数が増えていって、都市軽鎖ってなったら、きっと都市閉鎖の前日は大変なことになるだろうね。ミラノを閉鎖したときと全くおんなじことが起こるよね。地方から都会に働きに来ていた人がみんな地方に帰るよね。その中にはコロナをもう持っている人がいたりして。そしてそのコロナをもって地方へ帰る。コロナがまったくなかった地方にもコロナを撒き散らしに行くんだよね。そして全国的にどんどん数字が上がっていく。もうこれはイタリアで起きたことで、おんなじことを違う場所で起こすんだよね。きっとそれが起きた頃に、イタリアと同じ状況ですねって。。。。遅すぎる。いろいろ遅すぎる。本当のことをちゃんと伝えるのが、国を司る機関の役目なんだよね?なんでそれをしないの?人の命よりもこれからの経済状況が大事なんだよね。経済が回らなかたら国が成り立たない、成り立たない国に人の命があったってしょうがないってそんなふうに思ってるんですかって。なぜなんだろう。人間て生きてるから意味があるのに。死ぬ必要がなかった人の死を無駄にしないでよ。人の命が失われることをもっとしっかり受け止めて。自分の大切な人がなくなってからじゃ遅いんだよ。