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Description

『ヒップホップ・モンゴリア:韻がつむぐ人類学』

島村一平|青土社|2021年2月24日

朗読箇所|第2章「群像 第一世代ラッパーたちの葛藤」より(P.88〜108)

「周縁」に響く怒りの韻(ライム)。知られざるモンゴルのリアル。

青空と草原の遊牧民の国――それは理想化されたモンゴル像に過ぎない。都市化と開発が進み、そしてヒップホップ、ラップが深く浸透した「ヒップホップ・モンゴリア」でもある。ラップの盛況ぶりからは、口承文芸・伝統宗教との接点、社会主義による近代化によって生じたねじれ、民主化以降の西側へのコンプレックスとナショナリズム、ゲットーから放たれる格差への怒りが見えてくる。新自由主義に翻弄され「周縁」に置かれた国家のリアルをすくい取り、叫びを韻に込めるラッパーたちの息遣いを伝える異色の人類学ドキュメント。

【目次】



プロローグ

第一章 創世記――ポスト社会主義という混沌

第二章 群像――第一世代ラッパーたちの葛藤

第三章 伝統――口承文芸からヒップホップへ

第四章 憑依――ヒップホップからシャーマニズムへ

第五章 憤激――ゲットーに響く声

第六章 変成――今を生きる女性ラッパーたち

第七章 越境――ヒップホップが生んだ声の共同体

http://www.seidosha.co.jp/book/index.php?id=3523

企画・朗読:若林恵 

録音・編集:山口宜大(Magic Mill Sounds) 

音楽:yasuhiro morinaga + maiko ishii 

黒鳥福祉センターにて収録