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日本美術の影響を受けた独創的な作品で注目を集める画家の山口晃さんの言葉にめちゃくちゃ共感しました

曰く

"絵ってのはうんと甘やかされた方がいいと思うんですね

あのー、最初にうんと甘やかされて、その柔らかい褥(しとね)ができると、なんか次どんな厳しいこと言われても大丈夫になって

あ、気づいたらあそこに行ってふっと一息つきゃいいやってところができたら、そしたら人に見せていいと思うんですね、それまでは見せる必要がないと思うんですよね"

ここから私は思いました

1、新規アイデアは上司に見せるな

→前向きなメンター

2、生まれたては醜い子

→心の片隅に置いておく

3、褥が見つかるまで

→自分の納得感

イノベーションの世界でいくと、アイディアが生まれた当初って、とっても脆弱で、ツッコミどころ満載なのですが、なんかワクワクするって感じが多い気がします

その時点で、現実的な数字のミッションを持っている上司とかに相談しちゃうと、で、いくらもうかんの?とか、ビジネスモデルは?とか言われて、すぐに潰されてしまうという定説があります

山口さんが言われている、甘やかされた方がいいというのは、こういう状態の時には、上司ではなく、ポジティブなメッセージを送ってくれるメンター的な人が必要と言ってる気がして、とても共感します

また、ジェームズウェブヤングさんの"アイディアの作り方"からは、第五段階で、アイディアが素晴らしい子供ではないことに気づくという言葉があります

それを心の片隅において、音楽や美術などをみに行くと、ある日突然、そのアイディアの新しい素晴らしさや新たな展開に気づいていくことがあるとあります

これは、苧阪直行先生のデフォルトモードネットワークに繋がる話かと思いますが、これもある意味、アイディアを冷たく捨てないで、熟成するまで甘やかすということになるかなとも思いました

そして、柔らかい褥(しとね)ができたら、お披露目をしていく、それはつまり自分として、そのアイディアに納得やなんらかの確信を得た時に、ということなのかと思いました

様々な企業のイノベーションの中で、幹部がなかなか良いビジネスモデルが出来なくて、とか、外部のメンターにコテンパンにやられてるアイディアを見ると

もったいないなと、もう少し自分自身がワクワクするところまで熟成させてあげてから、叩いてもいいのになと思うこともあります

そんなことに似てるなあと、つくづく思ってしまいました

生まれたての子供は、お母さんがありったけの愛情で甘やかしまくる、そこから自己肯定感が生まれていろんなことが始まる

そんなことにも似ているなあと思いました

生まれたてのイノベーションは、思いっきり甘やかしてあげる

甘やかされノベーション

そんなことを思いました^ ^

参考: NHKアカデミア 山口晃(後編)落書きから始まる“絵”  初回放送日: 2024年1月31日 https://www.nhk.jp/p/ts/XW1RWRY45R/episode/te/J1LWMLNMG6/