特許は独占しないノベーション(1187回)
ヤマハの電動アシスト自転車の開発部隊が、自転車の圧倒的生産ラインとノウハウのあるブリジストンとの、オープンイノベーションをする際の決断に痺れました
"「特許は独占しません」
様々な企業が参入し、価格も下がれば、必要とする人にきっと届く
だがそれは会社としての利益は、優先しないことを意味した"
ここから私は思いました
1、新たな市場を創造するということ
2、仲間と共に創造するパッションと大義
3、オープンイノベーションの目的
ヤマハが世界初の電動アシスト自転車を開発してたこと、さらにはそこに至る、技術の壁、規制の壁、 サービス展開の壁などを、乗り越えるのにどれほどの苦労があったか、めちゃくちゃ感動しました
そこで思ったのは、特許を公開する、と言った経営判断に、驚愕でした。まずは新しい市場を創造するということへの理解、Winner takes allではない世界、その哲学に痺れました
よく新しい市場は競合がいることが実はとても大切という話を聞きますが、自らがトップランナーとして市場を作ってくという時には、逆に競合を作っていかなければならない、そんなことも大切なのかと学ばせて頂きました
またその仲間をどう説得するかというところも、大変難しいだろうなあと思います。オープンイノベーションを推進する際にも、細かな戦略の違いに目が入ってしまうとなかなかうまくタッグを組めなくなるのですが
大きな戦略、さらには将来に向けた大義、そして担当責任者のパッション、これが炸裂し、そして共感を得ることによって、巨像が動き出す、やはり大企業においてもそこが大切だなあと思いました
思うのは、単にオープンイノベーションと一言で言っても、目指すべき戦略、大義、パッションによって、その組み方は違ってくるなあということです
私は良くオープンイノベーションのタイプは、R&D型、UFO型、ミッシングピース型、マーケットチャネル型などと、お話しするのですが、そのどのタイプを目指すのか、も大事ですし
どの部分をオープンにして、どの部分をクローズにするのか、このバランス戦略もとても大切になると思います
今回のヤマハさんは、それをフルオープンでやられたというのは、まさに大義に基づき、それでも市場を創ることを優先する、なかなかできない決断ではないかと
しかし、だからこそ、新しい市場として立ち上がることができて、そこからシェアナンバーワンではなくとも、更なる展開の道筋が見えてくるという
新しい価値を世の中にどう届けるのか、さら将来の利益を長期的にみることができるのか、イノベーターはどう動くべきなのか、オープンイノベーションはどうあるべきなのか
いろんなことを考えさせて頂けました
特許は独占しないノベーション
そんな話をしています^ ^
参考:新プロジェクトX 革命の自転車 つなげ、感動のバトン〜世界初・電動アシスト自転車 初回放送日:2024年10月19日 https://www.nhk.jp/p/ts/P1124VMJ6R/episode/te/WW8QJVV439/