虚心坦懐ノベーション(1189回)
ドリトル先生航海記のお話から、青山学院大学教授で生物学者の福岡伸一さんの、科学的な実験がうまくいかなかった時のお話に、感動しました
曰く
"そこであの大きく反省したのはですね、やっぱり生物を機械と見做しすぎているなということなんですね
だからこそ部品を一つとれば必ず壊れる。それは携帯電話やコンピュータなら壊れるけれども
生命というのはそうじゃなくて、部品が一つなければないなりに、何とかこのバランスを取り直して、新しい状態を作って何事もないように、行動できるものこそに、驚かなきゃいけない
いうふうに自分自身が発想転換して、あ、そういえば、ドリトル先生だって、自然界というのを、虚心坦懐にみて、その自由自在さとかですね、そういったものを評価してたはずなんで
自分もですね、ナチュラリストにもう一度戻ろうというような、転換があったんですよね"
ここから私は思いました
1、自分の枠組みで理解しようとしてしまう
→自分がわかりやすいフレームに入れてしまう
2、ネガティヴケイパビリティ
→わからないことをわからないまま考える
3、虚心坦懐に物事をみる
→イノベーターのあるべき姿
福岡先生の本は本当に好きでいくつも読ませて頂いてるのですが、こんな転換点があったのか、ということにとても感動致しました
私は、良くイノベーター3つのフレームでは、と自分の会社の軸の中に物事を置き換えて、自分なりに理解しようとすることを、この放送でも良くやっているのですが
実は自然界の物事というのは、そんな一つのフレームで語り切ることなんて到底できないので、理解するためには自分なりのフレームが必要だけれども、それで全て理解できてるわけではないよ、ということを知っておくことが大切かと思いました
そこで思い出したのが、詩人のジョンキーツさんのネガティヴケイパビリティなのですが、わからないままのことも、無理にわかったというフレームに入れずに、わからないまま健闘を継続していく、そんなことがとても大切になってくるなあと思いました
そのためにとても大切になるのが、福岡さんが言われているように、虚心坦懐で物事を見ることなんだなあとつくづく思いました
ドリトル先生は、あらゆる動物の言葉がお話しできるわけですが、それは、まさに馬なら馬がどんな風に鼻息を鳴らしたら、どんな風に立髪をなびかせたら、どんな風にいなないたら、ということを、事細かく素直に見つめていることで、馬語が話せるようになったのだろうなあと
ナチュラリストは、そのように、すべてのバイアスを取っ払って、物事を見ることができる、そんな人なのだろうなあと思いました
でもその考えは、実は、イノベーターととても良く似ていて、ある意味、普通の人が当たり前のバイアスで見ているところを、全く違う視点のバイアスを壊した形で、見ること、問うことによって、新しいイノベーションが生まれる、そいいうことなんだよなあと、思いました
イノベーターはナチュラリストの眼を持つことが大事なのだなあと
それはある意味
虚心坦懐を常に大切にしている
虚心坦懐ノベーション
そんなことを思いました^ ^
参考:100分de名著 ロフティング“ドリトル先生航海記” (3)「ナチュラリスト」の条件 初回放送日:2024年10月21日 https://www.nhk.jp/p/meicho/ts/XZGWLG117Y/episode/te/8MK5K82213/
動画で見たい方はこちら
https://youtu.be/16OdIVii2dw