三重県多気町に3年前開業した巨大リゾート施設「VISON」を大成功せている、アクアイグニス代表 の立花哲也さんに、地方創生の奥義を教えて頂きました
"サンセバスチャンは世界一の美食の街と言われていて、人口は18万人くらいの小さな街なんです
何故そうなったかというと
そのシェフたちが街のレストランの皆さんと、毎月レシピを公開して、勉強会をしたんですね
それを20年続けたら、どこのお店も美味しくなってしまった
これって地方創生の世界モデルだなと"
ここから私は思いました
1、街ぐるみのオープンイノベーション
2、街のレストラン全てが仲間にする大義
3、新しい市場創造をするということ
地方創生とはいっても、個別のレストランごとに経営状況は企業で言えば特許を効果する違うので、それらはある意味ライバルという形での競合になると思うのですが
そのライバルに、虎の子であるレシピを教えるということは、企業においてはある意味、特許を公開するということに匹敵するくらいのことでもあるなあと、思いました
それはある意味、街全体としての、ミッシングピースを埋め合い、そして新しいものを創発し合う、街全体のオープンイノベーションと言ってもいい状況かもしれないなと思いました
それを可能にしたのは、街全体が仲間としての認識を持つことができたからなのかもしれないなと思います。そしてそれを仲間にしたのは、大義としての、世界一の美食の街をつくる、という大義があったのではないかと、想像しました。
イノベーションの世界では、ピッチイベントで必ず聞かれるのが、競合はどこだ?という質問ですが、これには二つの意味があると思います
一つは、競合優位性として、パテントやノウハウなど、参入障壁が築けているのか?ということになりますが
実はもう一つあって、ちゃんと競合がいる市場か?たまり、誰かが同じような課題の捉え方をして、解決しようとしているのか?もっといえば、それだけの課題やニーズがちゃんとある市場なのか?ということもある気がします
逆に言えば、一つも競合がいない、というのは、本当にそこにニーズがあるのか?または、誰かがやったがだめだったのではないのか?ということもあるように思います
本当にまだ誰もが手がつけられていない市場というケースもあるとは思うので、一概には言えないですが、新しい市場を創ろうというのであれば、1人や一社では、あまりにも時間がかかるということがあるため
ある意味、競合をあえて許す、または作る、というやり方もあるように思います。
以前、お話ししたYAMAHAさんの電動アシスト自転車の特許を公開したという話を紹介しましたが、それはまさに、新しい市場は実写では作れない、だから虎の子の特許を公開して、競合も含めて市場参入して頂き、みんなで新しい市場を創る、そういう選択だったと思います
つまり、地方創生も、もしかしたら、同じようなことをする必要があるのかもしれないなと
ある地方全体を盛り上げるためには、ある地方における競合同士が、仲間として、オープンに手を組んでいく、これが鍵なのかもしれない、そんなことを思いました
もちろん、どうしても秘伝のタレ、これだけはということは、クローズとオープンのパランスなのかもしれませんが、できるだけオープンなのかなと
一言で言えば
地方創生は競合が手を組むノベーション
そんなことを思いました
参考:カンブリア宮殿 空前の美食リゾートVISON 地方の大逆転物語 2024年11月14日放送 アクアイグニス 代表 立花 哲也
https://www.tv-tokyo.co.jp/cambria/smp/backnumber/2024/1114/