脳性麻痺の障害を持つ、小児科医の熊谷晋一郎さんの当事者研究の言葉に、とても勉強させられました
"自立している状況ってのは、何者にも依存しないのではなくって、かといって少数のものに依存するってのも、これも違っていて、なぜなら、少数のものから裏切られたらひとたまりもないから、それは自立とは言えないわけですよね
そうではなくって、一つのものから裏切られても大丈夫なほどに、たくさんのものに依存している状況、これが怯えずに、しかし頼りながら自立するためにとても重要な状況だ、と言うのがこれまで発信してきたことだったわけです"
ここから私は思いました
1、弱い責任
2、オプション・バリュー
3、仲間の重要性
自立と依存、という言葉は、全く正反対のことを言っている気がしていましたが、実はお互いの関係性の中に両立している、ということに衝撃を受けました
このお話で思い出したのが、哲学者の戸谷洋志さんの言われている"弱い責任"のお話です。(責任を果たすには頼るノベーション(1311回))
私が思ったのは、実は自己責任というのは、ゴールが自分で解決すること、ではなく、責任を果たすということであれば、他人に頼るということを、むしろすべきである、ということに、とてもシナジーを感じました
また、山口周さんより教わった、オプション・バリューのお話も思い出しました(オプション・バリュー・ノベーション(1406回))
大きなリスクを取る場合、背水の陣で臨むよりも、沢山のオプションを持った方が、成功の確率が高い、ということも、とても近い話になるなあと思いました
このあたりを合わせて考えると、自立、というとても強い言葉は、自らが立ち上がって責任を果たす、ということにもつながり、それを果たすためには、実は誰かを頼ることは必要なことだし
自立して何かを成し遂げるためには、一人という一つのオプションに絞り込んでで成し遂げることを目指すということではなく、沢山の人々の組むということでリスクヘッジをしていくということにも、つながるなと思いました
いずれでも言えることは、仲間、とともにあるということがとても重要な話だなあと思いました
イノベーター3つのフレームにおけるパッション、仲間、大義における、仲間の意味は、一人じゃできないことも、仲間とならできる、そんな意味ですが
実は、仲間がいることによって、自らのパッションの源としての自立を促すことができる、と考えると、仲間と自分の関係性によって、お互いの自立を
自立とは、孤独や孤立ではなく、むしろ積極的に周りに頼れるという気持ちを持てて、行動に移せる
なかなか迷惑をかけてしまうだとか、一人でやり切らねばならないという、強迫観念から、いかに抜け出せるか
デュルケームさんが言われている、依存が繋がることで社会ができている、と考えると、それは全く社会で生きるために必要なことなのだ
それこそが自立、ということなんだなあと、改めて思わせて頂きました
自立は薄く広く依存することノベーション
そんなことを思いました^ ^
参考:NHK 100分de名著 デュルケーム“社会分業論” (4)「個人の自律」と「連帯」の両立 初回放送日:2025年2月24日 https://www.nhk.jp/p/meicho/ts/XZGWLG117Y/episode/te/9RNML6QK72/
動画で見たい方はこちら