童夢やAKIRAなど、大友克洋前と後の世界を作ったと言われるレジェンドのイノベーションの秘訣を伺わせて頂き、めちゃくちゃ感動しました
曰く
"そのう、俺の漫画の中にある要素ってのは、映画だったりいろんなファッションであったり、音楽だったり
そういうもっといろんなものが、いっぱい入ってきてそっちの方に行くわけよ
だから、そのみんながやっぱり漫画の中から漫画を作ってるんで、俺、漫画の中だけで漫画を作ってるわけじゃないんだよ
もっとその世の中のいろんな新しいものを見ながら描いてるわけ"
ここから私は思いました
1、越境思考
2、より離れた異分野との結合
3、遊びと創造
1、越境思考
大友さんの作品からは、圧倒的な力だったり、凄まじいスピード感だったり、躍動感、見たこともない図柄が、あたかも普通のその辺りにいるような人々から繰り出される衝撃などで、何度も見直してしまう凄みを感じていました
その秘密の一端が、映画やファッション、音楽などの、全く違う要素から繰り出されているということに、イノベーションには、越境思考ということが本当に大切なんだなあと思わせて頂きました
私がオープンイノベーションを始めた時は、ベンチャーとビジネスはリスクが高いとか、責任が取れるのか?みたいなことを言われながらも、閉塞状況を打ち破るためには、異分子を取り入れるしかないと思って分野も業種も国籍も全然違う様々な方と、会うことから始めたことを思い出しました
Tushman & Scanlanさんらの論文によると、越境は、異なる知識体系の橋渡しをする人や行為がイノベーションに寄与する、ということを言われています。まさに大友さんは、自ら様々な分野に越境することで、革新的な作品を作られたのかと思いました
2、より離れた異分野との結合
その上で、シュンペーターさんが、言われてる新結合として、既存のアイディア同士を掛け合わせること、そしてその既存のアイディアは、離れてれば離れてるほど、面白いアイディアになる、と言えことを実現されていたのかと思いました
私がオープンイノベーション活動をした当初でも、今のSEE(Startup Emergence Ecosystem)でも、そうなのですが、出来るだけ離れたものを集めて掛け合わせるというコンセプトを貫いているのですが
想定を超えるような新たなイノベーションを起こすためには、効率的に業務・業態を集めるなどではなく、全く違うものがそれによってより新しいものが生まれる、そのような仕掛けを作ることが大切と思います
3、遊びと創造
大友さんのお話を聞いていると、改めて音楽やファッションや映画から、いろんなものを取り入れようみたいな形ではなく、あたかも遊びのように興味のあること全てに突っ込んで行ってるのではないかとも感じます
大阪大学の苧坂直行さんの言われているデフォルトモードネットワークのように、一つのことに集中している状態から、散歩に行ったり音楽を聞いたりと、違う活動をすることによって、実は脳が活性化し新しい考えが浮かぶことがある、とのお話も思い出しました
また、かのアインシュタインさんが"創造性とは、知性が楽しんでいる状態である"と言われたように、遊びとして様々なものに触れて、体験して、ワクワクすることによって、様々な異分子を楽しんで結合させるそこが出来る、そんなことも感じさせて頂きました
ということで、一言で言うと
越境を楽しむノベーション
そんなことを感じました^ ^
参考:NHK Eテレ東京 浦沢直樹の漫勉neo(20)大友克洋 2025/3/29 https://www.nhk.jp/p/manben/ts/7W327R2Y4N/blog/bl/poG6xnODjg/bp/pKVJ1AaOaK/