アンパンマンの作者 漫画家 やなせたかしさんが、作品を作る理由は?への答えに感動しました
曰く
"僕はですね、山の上までですね、郵便配達する人に会ったことがあるんですよ
そうしてね、あなたねぇ、大変なんじゃないんですか?山は天気の悪い時もあるしね、そこへですね、山の上に一軒しか家がないんです。
そこへだから郵便を配達する、こんなねぇ、仕事をやってあなたいいんですか?
あたしはこの仕事が大好きで、他の人はこの山へ登るのにお金払ってくる
私はこの山へ登ってお金をもらえる、四季折々楽しめる、そして私が山の上へ行くとですね、そこにいる人がみんなすごい喜ぶっていうね
それは作家にしても何にしても皆、同じなの。全ての芸術全部そうなんだ
自分のやったことで人が喜ぶっていうことで、本人が嬉しい"
ここから私は思いました
1、自己決定理論
2、フロー体験
3、イノベーター3つのフレーム
爆問学問は、めちゃくちゃ好きな番組だったので、爆笑問題とやなせさんのと話を、めちゃくちゃ楽しく思い出させて頂きました。アンパンマンの歌を朗々と歌うやなせさんは、まさにアンパンマンスピリッツそのものを感じてうるうるしてしまいました
1、自己決定理論
この郵便局員のお話は、給与や損得に関する外発的な動機から逸脱して、自分自身が本当に幸せになれることは何か?という内発的動機から、生まれた行動だなあと思いました
デシ&ライアン(2000)さんの「自己決定理論」では、「自律性・有能感・関係性」が人の内発的動機を高めるとされており、その山に住む人との関係性、そして喜びをつくりだしてる有能感、そこから生まれてくる自律性
まさに、自らのパッションの源に沿った自己決定の結果としての行動だなあと思いました。もっと給与が良くて楽できるような仕事はたくさんあるはずなのに、自分が本当に幸せなことは何か?に正直に生きる、そんな生き方ができたら素敵だなあと思いました
2、フロー体験
挑戦軸とスキル軸を高めていくと、没入していき幸せ感がマシマシになる、チクセントミハイさんの没入するフロー体験のお話は、何度もしていますが、実はそこには、他人が喜んでくれる、ということがもう一つ隠されています
ミハイ・チクセントミハイ(1990)『フロー体験 喜びの現象学』によると、「創造的な人々は、自分が愛する行動に没頭し、それが他者にとっても意味を持つと感じることで最も満たされる。」と言われており
実は没入体験には、他者を喜ばせるという重要な要素があるので、この郵便局員さんは、実はフロー体験に入ってるということもできると思いました
3、イノベーター3つのフレーム
私がいつもお話ししている、イノベーターには必ず3つのフレームがあって、まずは自らの情熱で誰かのペインを解決することから始まり、そして1人ではできないことを仲間と共に実施し、最終的にはその人だけではなく、周りの人たちも巻き込んだ幸せを作っていくというフレームに
今回の郵便局員さんのお話も、とても親和性が高いなあと思いました
やなせさんが、作家も全ての芸術がそうなのだ、と言われている通り、最初は誰かの郵便物を届けてあげるという情熱の利他パッションから始まり、それを郵便局員という仲間たちとの組織的な活動により、その山の人たちみんなが喜んでくれる活動となっている大義と結びついていく
ということが、郵便局員さん自身の幸せに通じてるのだと思いました
つまり、誰かに情熱とともき新しい価値を、誰か仲間と共に届けることで、そこにいるいろんな人たちが喜んでもらえる大義になる、それこそが、イノベーターの活動であり、そして、生き甲斐につながる活動になる、そんなことを改めて思いました
一言で言うと
山の上まで郵便配達するノベーション
そんなことを思いました^^
参考:NHK総合 あの日 あのとき あの番組 2025/5/6 2011年9月放送 爆問学問 君もアンパンマンになれる 漫画家 やなせたかし https://www.nhk.jp/p/nhk-archives/ts/RY1XL52811/list/
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