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三谷幸喜さんが、あのシェイクスピアの"から騒ぎ"に挑んだ"昭和から騒ぎ"に、めちゃくちゃ感動して笑って泣かせて頂きました

こんなお話しです

"元祖ラブコメ=シェイクスピア作『から騒ぎ』が古都・鎌倉を舞台にした三谷喜劇に大変身!

聞き耳、立ち聞き、盗み聞き…。虚実が飛び交い、騙し騙され振り振られ、果たして2組の男女は愛を成就できるのか??

三谷幸喜が初めて挑むシェイクスピア喜劇の翻案上演に、是非ご期待を!"

ここから私は思いました

1、エリザベス王朝×昭和鎌倉

2、ヒューリスティックバイアス

3、ニーチェの解釈論

キャストからすごい力が入ってまして、大泉洋そん、宮沢りえさん、竜星涼さん、松本穂香さん、峯村リエさん、高橋克実さん他という超豪華ラインナップで、期待感からしてMAXでしたが、終焉の頃には笑いと涙で、心身ともに洗い流された感じでした

1、エリザベス王朝×昭和鎌倉

シェイクスピアの作品自体、400年前のものなので、当時の時代はエリザベス王朝時代から見たイタリアが舞台、ということで、どんな感じになるかと思いきや、まさかの日本の昭和の鎌倉という意表をついた設定に度肝を抜かれました

しかし、とてもよく考えられてるなあと思ったのは、両方の時代共に、とても厳粛な男社会でいわゆる古いしきたりなどが重視される環境という意味では、全く違和感のない展開に見事に持っていかれてました

また、厳粛なしきたりがあ?からこそ、それがまさかの揺らぎをみせる時の、堪えきれない笑いが炸裂することになっていたのかと思いました

2、ヒューリスティックバイアス

ここで描かれているのは、いわゆるヒューリスティックバイアスが基本的な軸になっているなあと思いました

「人は現実の確率よりも、容易に想起できる事例に基づいて判断する傾向がある」(ダニエル・カーネマン、エイモス・トヴェルスキー(1974)『判断のヒューリスティクスとバイアス』)

と言われてる通り、現実問題の複雑さよりも、容易に想像できるおかしな方向に、ある時は故意的に、ある時は思いもよらず、どんどん話が噛み合わなくなって、どんどん話が複雑に絡み合っていきながら、それでいて辻褄が合っているという、まさにミラクルな構成に、大笑いしながらもやくこんなことを思いつくなという感動を覚えました

またその中に、日本の衝立と、襖という、古来からあるものをうまく活用して、そのすれ違いがどんどん進んでいく様は!どこまでがシェイクスピアで、どこまでが三谷幸喜なのか、わからなくなる見事な構成でした

3、ニーチェの解釈論

フェイクニュースあり、欺瞞あり、疑心暗鬼あり、勘違いありの大変な状況に置かれた時、人はどうすべきなのか、ということをとても考えさせられました。

現実社会においても、衝立や襖がなくたって、同じことがAIなどが出てきて、さらに複雑化してきているなあと。

そんな時、何が本当のことなのかが、わからなくなる。そして、最終的に頼りになるのは、自らのパッションの源に沿うということしかないのかもしれないと思いました。

そうなったら、あとは、自分がどんな人生を歩みたいのか、その上で、どうなるか、リーンに対応していくしかないのかなと。

しかしそういう自分が納得感あふれる対応をした時には、きっと、それは失敗ではなく、次へのステップだったと思えるのではないか

終演したと気に、そう思わせていただける素敵な劇でした。

ということで一言で言えば

三谷幸喜とシェイクスピアが見事に混ぜ合った傑作として

三谷クスピア・ノベーション

みたいなとこを感じました^ ^

参考:舞台:昭和から騒ぎ 原作 ウィリアム・シェイクスピア 河合祥一郎訳『新訳 から騒ぎ』角川文庫より  翻案・演出 三谷幸喜 キャスト 大泉洋、宮沢りえ他 企画・製作:シス・カンパニー https://www.siscompany.com/produce/lineup/karasawagi/