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黒柳徹子さんが、今の道に入られて、そして永く続けられている理由に、感動しました

"その私がNHKテレビのための専属女優募集に応募したのは、いいお母さんになりたかったから。"

"そのころ、はじめて子どものための人形劇を見て感動した私は「結婚して、お母さんになったとき子どもに人形劇を見せてあげられたらどんなにいいだろう。人形劇は無理でも絵本や童話を自分の子どもに上手に読んであげたい」と考えた。"

"いま、私は百歳まで「徹子の部屋」を続けたいし、舞台もずっと続けたいと思っている。でも、そんな思いが定まったのは偶然から女優になり、たまたまお母さんになることもなく仕事を続けるうちに、仕事がかけがえのないものになっていったから。"

"そして偶然からだったからこそ、一生懸命やるしかないと思ってやってきた、そういう人が長く続いているように思う。"

ここから私は思いました

1、偶然から始まるキャリアの意義

2、動機の転換と深まり

3、ユニークネス×環境による飛躍

地方の病院の経営を立ておしたり、健康体操で有名な鎌田先生と、テレビの創世記から非常にユニークネスな活動を継続されている黒柳徹子さんの対談は、めちゃくちゃ楽しくて、優しくて、そして深い洞察があるなあと、一気に読ませて頂きました

その中のコラムで、黒柳さんが、何故この世界に入られたのかという一節について、これからの生き方についていろいろ考えさせて頂けることがあって、めちゃくちゃ噛み締めさせて頂きました

1、偶然から始まるキャリアの意義

黒柳さんが、ご自身のキャリアについて、いろんなチャレンジをされてきたことや、そして、この世界に入ったのは、実は全然違う目的で入られたということに、衝撃を頂きました

大谷翔平さんのように、小さい頃から目指す姿があって、着実にスターダムに登って行かれた方を、ある意味、神格化するように、そういう人生じゃなきゃダメで、いまだに進むべき道が見つからないことを悩むこともたくさんある気がします

そんな時にこの黒柳さんのお話は、とても勇気を頂けるお話かもしれないなあと思いました。

スタンフォード大学のジョン・D・クランボルツさんの提唱した「計画的偶発性理論」というのがあって

「個人は偶然の出来事を計画的に活用し、そこから学び、自らのキャリアを形成する必要がある」(2009)

と言われています。うまり、偶然性をうまく自らのキャリアに計画的に組み込んでいくべきだということなので、結果的に黒柳さんの生き方ととても付合するなあと思いました

2、動機の転換と深まり

黒柳さんの当初はお母さんになった時に役に立つから、という理由は、ある意味、外発的な動機なのかなあと思います

そこから、与えられていく仕事をしていくことによって、自らの中の、パッションの源に火が灯って、今では、徹子の部屋を100歳までやりたい、舞台も続けたい、という内発的動機につながっていったと見ることもできるなあと思いました

これは心理学者エドワード・デシとリチャード・ライアンが提唱する「自己決定理論」における内発的動機の重要性を反映していると言える思います

「人は、報酬や外圧ではなく、“おもしろさ”や“意味”によって動くとき、創造性が最大限発揮される」

(1985)

つまり、仕事を一生懸命に、やっているうちに外発的な動機から、内発的な動機が生まれて!どんどん転換していったのではないか、そんなふうに思いました

3、ユニークネス×環境による飛躍

最後に、シュンペーターの新結合ではないですが、異種なものが組み合わせることによって、これまでにない面白いものが生まれる、ということから考えると

予定調和で進む人生よりも、偶然性が加わった形で、思いもよらぬ環境と、自分がかけ合わさった時に、自分自身でさえも想像もしていなかった人生が創出するということがあるのかもしれないなあと思いました

黒柳さんは、めちゃくちゃユニークネスな方と思いますが、それは、もしかすると、偶然による環境とのコラボレーションにより、さらにそのユニークネスが磨かれて

もしかすると、想定を遥かに超えたユニークネスになることができたのかもしれないなあ、そんなことを思いました

今回のお話は、生き方を模索していたり、進む方向性が必ずしも決まっていなくて、悶々としていたり悩んでいる人には、とても勇気をいただける話なのではないか

一言で言えば、

偶然だから一生懸命やるノベーション

そんなことを思いました^^

参考:本:トットちゃんとカマタ先生の ずっとやくそく 電子書籍版 2025年3月27日発行 著者 黒柳 徹子  鎌田實  発行所 株式会社実業之日本社