経営学者の川上昌直(かわかみ・まさなお)さんの言葉にグッときました
曰く
"作品としてのアートは、アーティストの内面的要素と外的要素から成り立っている。前者はアーティストの魂の感動であり、それが鑑賞者の魂に伝わって感動を生み出す。アーティストの魂は、その感覚によって表現され作品となる。そして、鑑賞者の感覚を通じて、それがまた彼らの感動となる。 "
" 「感動→感覚→アート作品→感覚→感動」。この関係性に適合しない限り、作品はアートとして成立しえないのだ。なかでも特に重要なのは、アーティスト本人の「感動」である。
つまり、感動を人に伝えなければならないと感じたアーティスト自身の内面である。これをカンディンスキーは「内的必然性(inner necessity)」と呼ぶ。それがないアートは単なるごまかしにすぎず、有害ですらあると述べる。"
"アートマインドセットをビジネスに落とし込む際に重要な視点がある。それは、プロダクトをアートとして見ることだ。創り手の熱狂を、独特の感覚を通じてプロダクトに保存する。これを本書ではプロダクト・アズ・アート(PaArt: Product as Art)と呼ぶ。"
ここから私は思いました
1、感動から創造へ
2、感動の共鳴
3、価値を創ることに共通
アートとビジネスの融合のお話は少し前にも話題になりましたが、また新しい視点を頂いた気がしました。
1、感動から創造へ
ビジネスにおいては、まずは熱狂させることが大事だというお話はよく聞くところでありますが、まずは、自分が熱狂しなければいけない、という視点に感動しました
カンディンスキーさんの言われる「内的必然性」は、デシ&ライアンさんの言われる「内発的動機づけ」にとても通じるものだなあと思いました
アートでも、ビジネスでも、誰かに言われたとか、お金とか名誉などの「外発的動機づけ」で動くものには、なかなかクリエイティビティが湧いてこなくて
自分が心からやりたいと思ったもの、私の言葉では、パッションの源、の琴線に触れたかどうか、それが、爆発的なクリテイティビティを発揮する元になる、そういうことなのかもしれないないと思いました
人を熱狂させるためには、まずは自らが熱狂するべし、心に刻みました
2、感動の共鳴
しかしながら、自分だけが熱狂しているだけでは、誰もついてきてくれないので、その自らが感じた熱狂という感動を、どう共鳴させることができるのか?ということがまたなかなか難しいかと思います
そこで思うのは、サイモンシネックさんのゴールデンサークルの考え方です。まず、Whyから始めよ、ということですが
アップルのスティーブジョブスさんのように、なぜ我々がここにいるのか?そして何を成し遂げようとしているのか?まずはその大義から話す、これが実は自分たちの感動を共鳴して伝えていく一番良い方法かもしれないなあと思いました
もちろん、そこへ辿り着くためには、億千回の試行錯誤やピボットがあるわけですが、ほんの少しの人数でも、自分たちと同様の感動を分かち合えて、熱狂する人が出てきたら、イケてるビジネスになる可能性が高まってきているということだと思います
3、価値を創ることに共通
この熱狂から熱狂を作り出すというのは、実はアートの世界だけでも、ビジネスの世界だけでもないところに、あると思います
以前、ハーバード大学の広中先生のおっしゃってた、誰もが誰かに価値を提供していて、編み物をした人だって、庭木の手入れをしてくれた人だって、みんな創造者なのであるということを思い出します
つまり、アートでも、ビジネスでも、日々の暮らしの中でも、実は誰かに何かの価値を提供したら、それは、創造なのだと、価値を提供しているということになるのだと、難しい言葉で言えば、イノベーターなのだと、そんなことを思いました^ ^
ということで、まずは、自分が熱狂する必要がある、そしてそれをいかに伝えるか、または、いかにたくさん感じてもらえるか、そこに大義を含ませることによって、熱狂を作り出すことができるかもそれない、そしてその熱狂は、実は日々の暮らしの中にもある
一言で言えば、
自分の熱狂をいかに伝えるのかノベーション
そんなことを思いました^ ^
参考:本: 熱狂的ビジネスモデル アートが見せる価値創造の未来 電子版発行日 2025年4月8日 Ver. 1.0 著者 川上昌直 発行所 東洋経済新報社
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