慶應義塾大学名誉教授の今井むつみさんより、伺った医学者の尾身茂さんの言葉に感動しました
"これまで75年も生きてきて、たくさんの知人友人先輩後輩と出会ってきた中で、ぜひみなさんに伝えたいことは、『得手に帆を揚げろ』ということ。"
"そういうとき、迷ったときは、それぞれ自分の得意技や好きなことに目を向けることです。『自分の好きな方向に行け』ということ。それぞれ自分の得意技、好きなことです。自分の好きな方向に行けということ。 それはなぜかというと、好きなことをやっても苦労が必ずあるから。"
"どんなに自分が好きな仕事を選んでも苦労はある。困難はある。しかし好きなことだったら、困難に耐えられる。"
"得手というのはただ好きだということではなく、どういうことをやると充実感が得られるか。大変なこともあるけど、それを乗り越えたときの喜びを感じられるかどうか。そういうことです。"
ここから私は思いました
1、自己効力感(自分が得意なこと)
2、内発的動機(心からの動機)
3、レジリエンス(好きだから耐えられる)
1、自己効力感(自分が得意なこと)
ここで言われている得手というのは、まさに、自己効力感(自分が得意なこと)を、いかに理解して、そしてそれを選択できるかと言うことだなあと思いました。
米国の心理学者のアルバートパンデューラ曰く
「人々は、成果を達成する能力に対する信念が強いほど、より多くの努力をし、より長く困難に耐えようとする。」(1997)と言われてます
つまり、自分が得意だと思うこと、あるいは好きで仕方がないこと、に関しては、努力もたくさんすることができるし、たとえ困難があっても耐えることができる
まさに、この得手という自己効力感溢れることに帆をあげることが、大切であるということそのものであると思いました
2、内発的動機(心からの動機)
そしてもう一つ思うのは、自分の得手に帆をあげるという行為は、決して人から言われてできることではない、と追うことも思いました
米国のモチベーション理論の、自己決定論を提唱されるエドワード・デシさんとリチャード・ライアンさん曰く
「人は報酬や外圧ではなく、“おもしろさ”や“意味”によって動くとき、創造性が最大限発揮される。」
(1985)
と言われているとおり、外発的動機としての、お金や名声などから生まれるものよりも、自分自身からの、おもしろさ、や、意味、から生まれることこそが、一番創意工夫をしていくことができる、というお話にも、とても符合していると思いました
3、レジリエンス(好きだから耐えられる)
もう一つとしては、人生生きていく上で、どんな選択をしようと、苦労のないことなんて、ないということです。
だったら、苦労に喘ぐ人生を選ぶのか、その苦労に立ち向かい続けられる人生を選ぶのか、いう風に考えたら、立ち向かうべく気持ちが溢れる方を選部のだということなのかとも思いました
米国の心理学教授のアンジェラ・ダックワース曰く
「グリットとは、目標への情熱と忍耐力のことである。情熱がなければ、挑戦を乗り越え続けることはできない。」(2016).
と言われてる通り、情熱の傾けられることにむかうからこそ、忍耐することができる、これこそ、自らのレジリエンスとして、困難へ立ち向かう力が湧く源かと思いました
ということで、私はこの尾身先生の言われるところの、得手に帆をかけろ、ということは、自分自身の情熱の源を理解して、そのどれかに自分を常にはれているかを、意識していくことと、とらえました
情熱の源とは、縦軸にポジティブ、ネガティブ、そして横軸に、オープン、クローズをとると、4象限が生まれて
左上が大好きパッション、右上が利他パッション、右下が個性派パッション、左下が成長パッションになって
各々の人生の時と場合によって内容はどんどん変わっていくけれども、常々それを意識していくことで、自らの情熱に沿った生き方ができるというものですが
尾身さんの言われる、得手を見つけるためにも、活用できるのではないか、そんなことも思いました
ということで、一言で言えば
得手に帆を揚げろノベーション
そんなことを思いました^ ^
参考:本: 日経プレミアシリーズ 人生の大問題と正しく向き合うための認知心理学 電子書籍データ作成日 2025年5月23日 第1版 著者 今井むつみ 発 行 株式会社日経BP
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