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木で人工衛星を作るなど、新たなイノベーションに挑戦をされている、住友林業参事で、筑波研究所技師長の中嶋一郎さんの言葉に震えました

"どれだけポテンシャルがあるのかっていう予測すら、自分自身の中ではついてないです。

ただ、 先ほどの木造人工衛星じゃないですけども、

まさか、こう宇宙のある 1つのプロダクトに役に立つっていうこと自体は、やっぱり思いも及ばなかったわけなんですね。

大事なのは、やはり、発想をどれだけ飛ばしたところに持てるか。っていうことじゃないんでしょうか。"

ここから私は思いました

1、セレンディピティ

2、飛躍的推論

3、ダブルループ学習

木材で人工衛星を作るという発想自体に、衝撃でひっくり返ったのですが、ともすれば必ずしも活況を呈していると思えない林業分野において、ある意味だからこそ、発想を飛ばしたイノベーションに重点を置かれているのかなあと思いました。いくつか発想を飛ばすヒントややり方を思いました

1、セレンディピティ

発想を飛ばす際に一つ思い出すのは、セレンディピティです。思いもよらなかった出会いから、思いもよらない発明が生まれた、みたいな話はたくさん聞くと思います

コロンビア大学教授で社会学者のロバート・マートンは「セレンディピティ・パターン」として「セレンディピティとは、予期せぬものを偶然に発見する能力である」と言っています

でも実は、セレンディピティには、たくさんの人たちがいつも出会っているのだけれども、それに気がついていないというところが一番難しいところかなと思いました

そこには、ニーチェの解釈論のような、最終的に解釈するのはその人になるので、幸運を拾えるか拾えないかは、実は、マインドセットがとても大切ということになると思いました

2、飛躍的推論

次にセレンディピティに出会った際の、そこから先の行動ということもとても大切になると思うのですが、飛躍的推論という考え方が必要になるなあと思いました

帰納法と演繹法というのがありますが、飛躍的推論は、想定外のことが起きた際に、それがもしかして正しいとしたら、何がどうなるのだろうと、考えを進めていくことになります

アメリカの哲学者・論理学者・数学者のチャールズ・サンダース・パースさんは、飛躍的推論について

「ある事象が観察される。この事象が、ある仮説が真であるとすれば、もっともらしくなる。したがって、その仮説が真であるかもしれない。」(1931–58)

と言われています。このように考えられるかどうかが、何らかのエラーに見えること、または、全くのセレンディピティにあったときに、必要となってくるのかもしれないと思いました。

3、ダブルループ学習

どうしても、抜け出せない課題や、袋小路に入ってしまったときには、そもそもの捉え方が違うんじゃないのかと考えることが、道を切り開くことがあるかもしれないと思います

ハーバード大学教授であった経営学者・行動科学者のクリス・アージリスさんは、ダブルループ学習を以下のように言われています

「有効な学習は、組織が自己の行動と前提を見直し、根底からの改革を行うときに生じる」(1996)

つまり前提としての捉え方を疑うというやり方ですが、これは私がいつもお話しする3シンキング(ロジカル、ラテラル、クリティカル)の中のラテラルシンキングに近い気がします

そもそもクエッションと呼んでて、急いでる会議とかでこれをやると必ず嫌われますが、なかなかのパワーを持つクエッションだと思います

例えば、木材の活用を地球上を前提としてた検討だったのが、そもそも何で地球に限定してるんだっけから始まって、木工人工衛星にたどり着くみたいな、私の作り話ですが、そんな展開を呼ぶ可能性があるのかなあと思いました

ということで、今回のお話は、いかに富んだ発想を生み出すイノベーションに取り組むのか?という点において、大変な学びを頂いた気がしました

一言で言うと

発想をどこまで飛ばせるかノベーション

そんなことを思いました^ ^

参考:テレ東BIZ   ブレイクスルー 住友林業の最新研究!“木の限界”に挑む  2024.11.09 10:30  https://txbiz.tv-tokyo.co.jp/breakthrough/vod/post_306485