日本ハイドロパウテック社長の熊澤正純さんの、脅威の加水分解技術による食品時短ソリューションに、驚きと共に異分野融合からの破壊的イノベーション展開に感動しました
"私が辿ってきた道からしますと、結構単純に見えてしまう
ただ、化学、プラスチックの業界で見えるようなことが、それをやってきた人間が、食品業界でそんな無謀な実験をするというシチュエーションにはなかなかいかないわけですね
逆にまたしかりで、食品業界の方が仮にプラスチックに行った場合、こういった発見というのは起こるのではないかと思っています"
"従来のやり方では作れない新しいものを作るというような
形を変えたり姿を変えたり場所を変えたりすることによって評価があり得るかなと"
ここから私は思いました
1、セレンディピティ
2、異分野融合
3、破壊から新興市場へ
1、セレンディピティ
2年間熟成のチーズを2時間で作ってしまえるという、脅威の加水分解技術に、破壊的イノベーション誕生の方法と、展開の方法に大きな示唆を頂きました
熊澤社長がここに到達できたきっかけは、もともと石油化学メーカーで働いていたところを、ご家族の関係の食品会社を支援する中で
米の付加価値を上げるためにアルファ米を作る過程に、石油化学のプロセスを入れて効率化を図ろうとした時に、失敗して、この加水分解をしてしまったということなので
今から思うとまさに運命としか言いようのない、偶然が重なって、セレンディピティを拾われてるということです
しかし、ここには重要なイノベーションの要素があって、その失敗を、もしかしてこれって凄いことなんじゃない?という、ニーチェの解釈論によって、どう解釈するか?ということが大切だと思いました
実は我々は様々な偶然に日々出会っていて、その偶然をどう解釈するかによって、新しい勝ちを作り出すことができるかもしれない、ということを教えて頂きました
2、異分野融合
これは、まさにシュンペーターさんの言われる新結合であり、離れたもの同士がくっつくことでよりイノベーティブなものが生まれるという、原理原則に乗っ取った形だなあと思いました
これは、できたものをみれば、なるほどね、なのですが、創り出すのは実はとても難しいイノベーションの形態だと思います
オープンイノベーションの世界でよくやられるのは、私はミッシングピース型と呼んでいるのですが、自らに足りないものを探して組み合わせて、事業スピードを加速させる、というのが、短期的で利益が見えやすいので、やりやすいのかなと思います
一方で、よりイノベーティブでこれまでなかった勝ちを作り出す、破壊的ソリューションを生み出すためには、これまでやったことのない組み合わせを促す必要があるため、実は全然離れたものと組み合わせて、失敗を繰り返すということをやらなければなりません
私はこれをUFO型オープンイノベーションの読んでいるのですが、未確認飛行物体をなんだこれは?から始まってもしかしたら、こんな組み合わせがあるんじゃ?という強制発想をたくさん促すことで、確率は悪いけども破壊的イノベーションを生み出す実は最短の方法かとと思っています
私が開催するSEEや、強制発想ワークショップでも、この手法を取り入れてやりますが、そのようなアクデビディを日々トレーニングしておいて、常日頃心がけることも必要かなと思いました
3、破壊から新興市場へ
Fintechが出始めの頃は、破壊的ソリューションと言われていて、これからの金融市場を食い尽くすのでは?みたいな論調もたくさんありましたが、2ー3年経つと破壊ではなく調和である、みたいな話に切り替わり、既存の金融機関と共にソリューション化していったのを思い出しました
加水分解技術は、これまでのソリューションを一から破壊する可能性を秘めているので、既存市場からの反発がかなりあったため、カカオハスクというこれまで捨てられていたカカオの皮ような部分を、食べられるようにする、というところから活路を見出したという話に、深く共感しました
破壊的イノベーションは、時にはセンセーショナルに登場しますが、既存市場からの圧倒的な軋轢があるので、どう展開していくかというヒントがここに隠されているなと思いました
まずは新興市場で実績を積み重ねるというのはとても納得感のあるソリューション展開方法だなと思いました
ということで
今回のお話は、異分野融合から、破壊的ソリューションが生まれる背景ややり方への示唆、そしてその展開方法ということについて、めちゃくちゃ学ばせて頂きました
一言でいうと
異分野融合ノベーション
そんなことを思いました^ ^
参考:テレ東 ブレイクスルー 熟成に2年かかるチーズも2時間で!食品業界を変える“超時短”技術!? 12月14日(土)に放送 https://www.tv-tokyo.co.jp/plus/business/entry/202412/16227.html