大妻女子大学の家政学部 ライフデザイン学科の宮田安彦教授が推進されている「ご当地カクテルプロジェクト」に地方創生の鍵を頂きました
曰く
"私のゼミでは、日本の生活文化を勉強して、これが どっちかというと衰退気味といいますか、全体的に 文化の画一化と言われてますけど
そういうのを防いで、いかに守っていくかということを、 課題として勉強しております。
若い女性ばかりじゃなくて、男性もそうですけど、日本酒離れが甚だしいと
和食文化の重要な要素なので、それが衰退するってことがひいては和食文化も衰退する。それでなんとか日本酒を新興したいと
自治体と提携をさせてもらって、その地の名前がついたカクテルというのを作っております。"
ここから私は思いました
1、創造的テンション
2、実在の社会課題
3、意味の再構築
1、創造的テンション
宮田教授のこれをやりたくて、ここに入りましたという学生がいるくらい、とても魅力的なイノベーション創発体験スキームだと思いました
地方創生のプロジェクトを立ち上げて付加価値を作ってください、というお題を与える方法もありますが、一から自由にお題を与えるよりは、あえてタガをはめて、地方創生カクテルを作れ!というやり方は、逆にイノベーティブな考えが生まれる、上手いやり方だなあと勉強になりました
そのためには、そこにパッションが生まれる構造を引き起こす必要があるのですが、地方創生のテーマは、ずっと言われ続けているのに、なかなか答えが見つからないWhy not yetの課題なので、衰退と復興という極めてギャップが大きく、切り札ないテーマというのも素晴らしいと思いました
『学習する組織』(1990)でピーター・センゲさんは、
「創造的テンションとは、現実とビジョンのギャップから生まれるエネルギーである」
と言われています
ビジョンと現実のギャップが明らかにあるのに、一向に解決しない世界、そこにある誰もがまだ気づいていない真の課題はなんなのだろう?この問いから、仮説検証を繰り返す中で自分たちなりの答えが見えかけてくる
その時にパッションの源に火がつきはじめる、そんな素敵な構造を作ってるのかなあと思いました
2、実在の社会課題
地方創生というと、なんとなく理解したつもりになりますが、実際の各地方には、各々の切実な課題が山積みになっている、ということに気づけるというのが、実在の社会課題へのアプローチができるメリットだと思います
その中にはたくさんのマルチなプレーヤーがいて、そして各々の主張や正義があり、それぞれがたくさんのトレードオフに見舞われているという実態を
その関係性を全く知らない東京から来る、しかも純粋な気持ちを持ってる大学生が、さまざまなバイアスを持ってしまってる地方に、チームプレーをしながら切り込んでいく、ということは、新たなイノベーションを生み出す原動力になるなあと思いました
それは、シュンペーターさん曰くの新結合であり、より離れた価値観がぶつかり合う異種融合になり得ると思います。そこを切り崩す時に、きっと、仲間としてのチームビルディングやコラボレーションなども身につけられるんだろうなあと、そんな風に思いました
3、意味の再構築
このプログラムは、その提案を大学生がするだけでなく、実際のレシピとして自治体などに提供し、その後自治体はそれをもとに新たな展開の可能性が具体的に拡がるということが、実プロジェクトとしてのエグジットがある、ということもとても素晴らしいと思いました
きっと、これまでの地方における、価値観自体の転換が起こって、新しい地方創生のビジョンみたいなものが見えてきたとしたら、それは、その地方における大義の再構築で、意味の再構築になるのではないかと思います
そういう意味でも、地方創生のカクテルを作るという行為から、新たな地方創生のビジョンが生まれる、そんなところまでつながる可能性が、多いにあるなあと思いました
ということで、イノベーションのマインドセットやノウハウを身につける教育方法として、学ぶべき点がたくさんあるなあと思いました
創造的テンションでパッションを生み、現実社会課題の中で現場100回を仲間と共に実体験し、真の課題への掘り下げを行い、そして、新たな地方創生の大義としてのビジョン、意味の再構築を果たす、素敵な経験をできるなあと思いました
それが凝縮されている
一言で言えば
大学生によるご当地カクテルノベーション
そんなことを思いました^ ^
参考:TBSテレビ ふるさとの未来 大妻女子大学 2024年9月4日放送 https://www.tbs.co.jp/furusato_no_mirai/archive/20240904.html
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