ハーバード大学ケネディスクールおよび経営大学院教授のアーサー・C・ブルックスさんから、イリノイ大学心理学部教授のレイモンド・バーナード・キャッテルさんの言葉に考えさせられました
曰く
"「(流動性知能は)抽象的な問題を解決する脱文脈化された能力であるのに対し、結晶性知能は、人が生きるなかで文化的適応と学習によって獲得した知識に相当する*4」"
"キャッテルの説によれば、第1章で出てきた図1の生産性曲線は、実質的に流動性知能の曲線で、30代半ば頃まで上昇し、40代、50代にかけて低下します。その一方で、流動性知能の裏にはもう1つの曲線、つまり結晶性知能の曲線が潜んでいて、こちらは成人中期から後期を通して上昇していきます。"
ここから私は思いました
1、冒険者から賢者へ
2、サクセストラップ
3、貢献による自己超越
1、冒険者から賢者へ
明らかに体力や記憶力や回転数が減少してくる年齢において、新たな知性が高まってくるお話には、ある程度の年齢を重ねた私にはとても勇気を頂けるお話でした
流動性知性が活発な時期には、ゲームの世界で言えば、冒険者や勇者として、先頭に立ってバッタバッタと困難を薙ぎ倒していくとすれば
結晶性知性が高まる時期には、冒険者が困った時に、何らかの知恵を与えて困難を乗り越えてもらう、賢者的な役割を果たすことができたら、自分の存在意義を確認することができる気がしました
果たして、今の自分が、賢者たる振る舞いができるかは甚だ疑問ですが、これから、それを目指していかたらいいなあと思いました
2、サクセストラップ
気をつけなければいけないのは、経験をしているからこそ、経験に囚われてはいけない、と思います
定説として、新しいアイディアは上司に相談するな、ということがあるとおり、俺の時はこれこれでダメだったから絶対やめといた方がいい的な、お話をついついしてしまいたくなる、そんな気持ちは何度も自分としても、上司に対面した時にも感じてます
時代の流れとともに、状況は変わっているし、そして自分と他人は違うので、アドバイスとしては、全然アリなのですが、潰してはいけない、と肝に銘じたく思います
3、貢献による自己超越
マズローの欲求の階層の最上階は、自己実現を超えた、自己超越があって、それは他人への貢献になるとのお話を思い出しました
つまり、結晶性知性を持つことによって、他の誰かに貢献できることこそ、自己超越を目指すことができるステージに来たと、いうことなのかもなあと思いました
ドイツの発達心理学者のエリク・エリクソンさんは
「成熟とは、自分の人生の意味を他者の幸福の中に見出すことである」
と言われています。成熟した年代になって、結晶性知性を持たせてもらえるのは、もしかしたら、自己超越をするためのプレゼントなのかもしれないなと思いました
これまでの冒険者の道は、無理にせずに、そこであえて捨てて、賢者への道を少しずつ登っていき、結晶性知性を、どこかの流動性知性の持ち主に、惜しみなく注いでいくことができたら
それこそ、自分を超える、自己超越に進む道筋なのかもしれないなあと思いました
ひとことで言えば
結晶性知性を伸ばすノベーション
そんな話をしています^ ^
参考:本: 人生後半の戦略書 ハーバード大教授が教える 人生とキャリアを再構築する方法 2023年3月10日 初版第1刷発行 2023年3月15日 電子第1版発行 著者:アーサー・C・ブルックス 訳者:木村千里 発行所:SBクリエイティブ株式会社
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