ネット起業家・メンタルヘルスの研究者のニールシーマンさんの起業に対する考え方に考えさせられました
"カリフォルニア大学サンフランシスコ校医学部を拠点とする研究者で、精神科医であり起業家でもあるマイケル・フリーマン博士が2015年にまとめた研究によると、起業家の72%がメンタルヘルス上の懸念を訴え、49%が「長年1つまたは複数のメンタルヘルスの疾患」の既往歴があることがわかった。"
フリーマン博士の提言として
"第3に、政府は起業家にも失業保険を支給すべきである。給与所得者の多くは、解雇された場合にこのセーフティネットを利用できるが、他者に雇用を生み出す起業家たちは、ほとんどの場合、自力で何とかしなくてはならない。"
"パリのHEC経営大学院のヨハン・ホムバートとその同僚らが、2020年に『ジャーナル・オブ・ファイナンス』誌に発表した論文によると、フランス政府が失業保険プログラムを変更して、自社が倒産した起業家も対象に加えたところ、彼らは見事に再起を果たしたという。"
"やがて、活力を取り戻した起業家たちは、雇用成長、生産性、会社存続率の面で、ほかのスタートアップ起業家たちをしのぐようになった。"
ここから私は思いました
1、生存者バイアス
2、本気度と心理的安全性
3、セーフティネット
1、生存者バイアス
生き残った人の話しか人は聞けないので、生き残れなかった人たちに何が起こっていたのか、ということは、実は知ることができない、というのが、私が思う生存者バイアスですが
起業家についても、成功した方のお話はいろんな書籍や媒体で取り立たされて、誰もがヒーローに憧れるように、夢を持つわけですが
夢を持つこと自体は悪いことではないのですが、そこには、たくさんの成功しなかった人たちも実はいるということを、知っておくことがとても大切だと思いました
一説では、起業家の8割は5年で姿を消すと言われている中では、その方々にスポットライトは当たっていないだけで、量的には実は多いのである、ということをみんなが知っておくことの大切さを思いました
かといって、だから起業なんてやめた方がいいということではなく、まずはそれを知った上での、どんな挑戦の仕方がいいのか、ということが重要と思いました
2、本気度と心理的安全性
清水の舞台から飛び降りるような覚悟がないと、起業はできないとか、背水の陣で望む輩でないとお金は出せない、など、ハイリスクハイリターンなんだからそれは当たり前的な、ことも一つあるような気がしています
プロジェクトアリストテレスで有名になった心理的安全性の話ですが、そのお話の提唱者であるハーバード・ビジネス・スクールのエイミー・エドモンドソン教授は、こういっています
「実験的に挑戦できる環境こそ、持続可能な本気の土壌」参照:Edmondson, A. (1999). Psychological Safety and Learning Behavior in Work Tea
つまり、心理的安全性があるからこそ、持続可能な本気が出せる、ということです。もしかすると、人のタイプによっては、背水の陣ではないと、という人や、プランBがないと無理。という人がいるのかもしれません
挑戦してダメなら終わりではなく、挑戦した人にナイスチャレンジで、また次もあるから、と言える世界があってもいいかなと思いました
3、セーフティネット
そういう意味で、国や民間、どちらの側からも、ある意味、起業家の人たちのための、セーフティネットづくりということが、活発化してもいいかなと思います
我田引水になりますが、私が主催しているStartup Emergence Ecosystem〔SEE)は、何とか民間でそんなことができないかと、四半期に一度のイベント形式でもがいています
様々なエコシステムのしての、チャレンジがあってもいいのではないかと思いました。起業家を応援するとは、ハイリスクハイリターンで頑張れ、もあってもいいかもしれませんが
人生のリスクヘッジをしながら、もっとカジュアルに起業できる世界ができたらいいなあと思います。その先には、全世界一世帯あたり一法人化で、大企業ももちろんある中で、自分なりの価値を提供できる世界、があってもいいかなと思いました
そんな話をしています^ ^
ひとことで言うと、本書のタイトルを取って
起業中毒ノベーション
そんなことを思いました
参考:本:起業中毒 起業家の「加速する脳」を突き動かす刺激的かつ破壊的な衝動 電子版発行日 2025年7月8日 Ver. 1.0 著者 ニール・シーマン 訳者 庭田よう子 発行所 東洋経済新報社