劇団四季『アラジン』の素晴らしさに改めて感動して、さらに訳詩をされている高橋知伽江さんのインタビューにイノベータマインドをいただきました。
最も有名曲の「A Whole new world」に関して、高橋さん曰く
"実は、あの歌の原詩にはFreeとか Freedom
という言葉は一つも無いのですよ。でも、“すべてが新しい世界”、それは、何もかもが新しく新鮮に感じられるということでしょう。
お城の中に閉じ込められてきたジャスミンが、魔法のじゅうたんで大空に飛び立ち、生まれて初めて“解き放たれる”瞬間、『そうか、これが自由なんだ!』と感じる。
空から見下ろす世界のすべてが彼女には新しく映る。その感動が、そのままお客様に伝わるようにしたかったのです。
ジャスミンが「自由よ!」と歌う、その気持ちー心の底から湧き上がるような喜びが、お客様に届けばいいなと思っています」"
ここから私は思いました
1、原文よりも「価値」に焦点を当てる
2、パッションの源に忠実である
3、価値から共感、そして大義への昇華
まず、何よりも素晴らしいミュージカルで、本当に何度も感動して涙しました。キャストの皆様の沢山のメンバーでの踊り、歌、そして、なんといっても主演のジーニー役の瀧山久志さんは、この人以外考えられないのでは?と思うくらいのハマり役ですし、ジャスミン役の平山愛咲さん、そしてアラジン役の立崇なおとさんの、歌と踊りがとにかく素晴らしかったです。これからも、追っかけていきたい俳優さん達だなあと思いました
1、原文よりも「価値」に焦点を当てる
•ただ直訳するのではなく、文脈やストーリーの意味を汲み取った上で、ふさわしい言葉を選ぶことが重要だなあと思いました。
•これはイノベーションにも通じる視点で、細谷功さんの言われる「具体と抽象の往復運動」と言えるかもしれないと思いました
•私自身、イノベーター創発WGでよくやるのですが、強制発想法にも通じます。世界中の先進ベンチャーの価値を抽象化し、自分たちの課題にどう転用できるかを、具体化してみて考えたりしています。
・全体のミュージカルの中のこの場面で、この人物に何を語らせることが必要なのか?ある意味、メインの曲でこのミュージカル全体を貫くメッセージは何か?ということから、この言葉が出たのかなあと、感動いたしました。
2、パッションの源に忠実である
•また、もう一つの観点として、高橋さんがただ依頼された通りに訳したのではなく、ご自身の情熱と想いを込めて訳されていると感じました。
•これは私の勝手な考えですが、「私が訳すからには、ただの訳では終わらせない」――そんな想い・パッションの強さが感じられました。
•パッションに忠実であることは、アーティストであり、イノベーターとして非常に大切だと思いますが、本当に勇気のいることなので、あえて自分の思いを信じてやってみることの大切さを教えて頂いた気がしました
3、価値から共感、そして大義への昇華
•「自由よ」という言葉は、ただの訳詞に留まらず、アラジンの物語のテーマそのものを象徴する「大義」になっているなあと感じました
•ある意味、これは、高橋さんからのパッションに始まり、そして劇団四季の皆様と言う仲間とともに、そして観客という沢山の人々に、この物語のテーマを伝える、そんな共感を生み、大義へと昇華してるなあと感じました。
・ここでいうところの「自由」とは、ジャスミンだけにとどまらず、登場人物それぞれの「自由」を表現しており、それが観客に感動として伝わる。
•単なる言葉ではなく、ストーリー全体の柱となるメッセージに昇華されたところが本当に素晴らしいと感じました
ということで、本当にアラジンは素晴らしいミュージカルで、高橋さんのパッションが炸裂されたミュージカルなのだと改めて思いました
あえて一言でいうと
アラジン・ノベーション
そんな話をしています^ ^
参考:Disney Aladdin THE HIT BROADWAY MUSICAL アラジン 大同生命ミュージカルシアター 電通四季劇場 海 主催:劇団四季 https://www.shiki.jp/applause/aladdin/
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