書籍”「風の谷」という希望”にめちゃくちゃ感動したと共に、たくさんの学びをいただきました。そのうちの一つ、”界面活性型の異人”について、目から鱗が落ちました。
書籍より引用
"異質を混ぜ込ませる際に特に重要な役割を果たす、特殊なタイプの異人がいる。その土地の文化を深く理解しながら、外部からやってくる人々とも自然に交流できる存在だ。
彼らは単なる仲介者ではない。新しい価値を生み出す触媒となり、創造的な対話を可能にする。このような人々を「界面活性型の異人」と呼ぼう。"
"このような界面活性型の異人を見出し、育てていくことは、風の谷づくりにおける重要な戦略といえる。
その方法として最も確実なのは、地域で育った才能ある若者たちに、異なる文化圏で学ぶ機会を提供することだ。全員が戻ってくるわけではないが、新しい視点と経験を携えて帰郷した人材は、地域に計り知れない価値をもたらす。''
ここから私は思いました
1、人材流出は真の課題ではない
2、人材還流の仕組みづくり
3、オープンイノベーター育成
1. 人材流出は真の課題ではない
- これまでの地方創生との違い
- 地方創生というと、これまでは「どうやって人材流出を防ぐか」「どうすれば人が離れないようにできるか」という議論が多かったと思います。
- 地域に雇用を作り、魅力づくりをすることで、人材を囲い込むという考え方ですが、この考え方が根本的に覆されました。
- 新たな視点:人材は流出させる
- むしろ「人材は一度外に出す」ということが私にとっては目から鱗が落ちるようでした。
- 一旦外に出た人材は、その地域に留まっているだけでは得られない、様々な経験を積んで戻ってくることが、これまでにない価値をもたらすと。
- つまり、真の課題は「人材が流出してしまうこと」ではなく、むしろ「一旦、流出させること」であるという、視点の転換が重要だと感じました。
2. 人材還流の仕組みづくり
- 出戻りクリエイティブクラスの価値
- 地方は、一度外に出て広い世界で多様な経験を積み、クリエイティブクラスとなった人材が、新しい視点や創造的なアイデアを持って戻ってくると、大きく変わることができるという視点に、衝撃をいただきました。
- 還流させるための仕掛け
- 重要なのは、人材を流出させないことではなく、外に出た人材が「また帰ってきたい」と思えるような仕組みを作ることなのだと思いました。
- どのような魅力づくりや仕掛けがあればクリエイティブクラス人材が戻ってくるか、どうすれば彼らの挑戦を支えられるかといった、具体的な仕掛けづくりが大切なのだと感じています。
- 何度でも挑戦できる土地という価値
- 例えば、私が手掛けている「Startup Emergence Ecosytem(SEE)」というプラットフォームも、この地域の還流の仕組みづくりに貢献できると考えています。
- このプラットフォームでは、「何度でも挑戦できる世界」というコンセプトを掲げていて、こうしたセーフティネットが存在する環境を、地域に作ることができれば、外に出た人が、新しい挑戦をもっとカジュアルに始められるのではないかと考えています。
3. オープンイノベーター育成
- 「海面活性型の異人」は例えばOP人材
- 「海面活性型の異人」とは、私の解釈では、異なる文化や背景を持つ人々の間に入り、両方の事情を深く理解し、つなぐだけではなく、新たな価値をそこに創り出すことできる人と理解しました、
- それは、すなわち、例えば大企業とベンチャー企業のような別文化のものから、オープンイノベーション(OP)として新たな価値を創ることができる、そのような人もその一人かと思いました。
- OP人材の育成の重要性
- 私が2013年に大企業で立ち上げた「オープンイノベーション事業創発室」は、まさに大企業とベンチャー企業をつなぎ、両方の事情を理解し新しい価値を創発する人材を育てることも目的としていました。
- 昨今では、OP活動は企業の当たり前の機能となってきているので、その容易な育成がされている人材こそ、「界面活性型の異人」候補になりうるのでは無いかとも思いました。
- 先ほどのお話したSEEもそうですし、様々なOP活動は盛んになっていますし、私自身も故郷の北海道に少しでも新しい価値を創発するお手伝いができればと本気で思っています。
ということで、めちゃくちゃ学ぶべきところがあり、感動し、さらには、私なりに何かできることはないかと、考えさせられました。
今回の学びは一言で言うと
”界面活性型の異人”ノベーション
そんな話をしています^^
参考:本:「風の谷」という希望 残すに値する未来をつくる 電子版 発行日 2025年7月30日 著 者 安宅和人 発行所 英治出版株式会社