ビットコイン創始者のサトシ・ナカモトの発言に、改めてこれからのイノベーターの真の姿を教えて頂きました
曰く
“このプロジェクトは、ソフトウェアを強化しながら徐々に成長していく必要がある。私は背景に退いている方がいいのです。"引用先:ビットコイン・フォーラム投稿(2010年)
“従来の通貨の根本的な問題は、それを機能させるために多大な“信頼”を必要とすることだ。"引用先:ビットコイン論文(2008年)
ここから私は思いました
1、内発的動機のみで動く
2、仕組みを遺すこと
3、力の集中の解放
1、内発的動機のみで動く
サトシ・ナカモトさんが、素性を全く明らかにせずに、ここまできているということの理由の一端がここにあるのかと思いました
つまり、外発的動機としての、例えば名声や、権力や、資金力のようなものを、一切合切を保有することから距離を置いて
あくまでも、新しい社会の仕組みを変えるということのみにフォーカスした、いわば内発的動機のパッションの源に基づいた行動は
全て、”私は背景に退いている方がいいのです”という言葉に集約されている、と思いました。
つなり、誰か一人のカリスマ性で成り立つというものではなく、新しい世の中を作りたいという内発的動機の人たちにより、徐々に成長すべきなのだ
という、新しいイノベータのマインドセットがここに示されているなあと思わせていただきました
2、仕組みを遺すこと
内村鑑三さんが言われているところの、後世に遺す最大の遺物、のように、思想、ビジネス、お金、生き様、様々なものを残すことはできると思いますが
サトシさんにおいては、社会の仕組みを残すということを考えていたのではないかと思いました。
ご自身の名声や富や思想ではなく、それらを具現化した仕組みとして、実装されたソフトウエアとして遺し、さらにそれに、同様のパッションを持った人々がさらに加わり
世の中に新しい仕組みをソリューションとして、構築し続けていく、そんな、ある意味、サグラダファミリアのような、永遠に残るべき仕組みということをパッションとして持たれていたのではないかと思いました
3、力の集中の解放
そしてその先にある大いなる大義があったからこそ、なのではないかとも感じました。
それは、まさにブロックチェーンとして実装されている、集中から分散管理へという世界観が
ある意味、人類が農業を始めてから、権力の集中が始まり、資本家と労働者という格差まで生まれてきている人類の歴史的な世界を
力の集中なしに動くことができる世界を、初めて実現するというような大義が、あったからこそなのではないかと感じました
通貨という世の中を回す基本的な仕組みの真の課題を、信頼という逆にいうと依存の構造として、集中する構造を分散に変えることが、様々な世の中に起きている課題を、オセロのようにひっくり返す可能性でさえ持っている
そんな大きな大義があったからこそ、逆に自らがカリスマという大きな力の集中となる存在になることを拒んで、実在さえ危ぶまれるような存在になることで、力の集中を解放しようとされていたのかもしれない
そんなことまで考えてしまいました。
ということで、一言で言うと
自分は背景に退くノベーション
これからの真のイノベーターの姿を見たような、そんな気がいたしました
そんな話をしています^^
参考:ビットコイン・フォーラム投稿(2010年)、ビットコイン論文(2008年)
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