ジャパン・アクティベーション・キャピタル チーフ・サステナビリティ・オフィサー(CSO)の磯貝友紀さんの言葉に痺れました
曰く
"私がかつて、ユニリーバの元CEOであり、長年サステナビリティ経営の旗手として世界を牽引してきたポール・ポールマンと話したとき、彼は次のように語ってくれました。
「気候変動・食糧危機・貧困などを問題視する人がいますが、これらは本質的な問題ではなく、症状に過ぎないと思います。社会で起きている本当の問題は、人間の強欲さや無関心、自己中心的な考え方であり、それは人的な問題なのです。強欲さが、結果、不足を生み出すのです」"
ここから私は思いました
1、制度(ルール設計)
2、技術(透明性・分散化)
3、文化(足るを知る・贈与)
SDGSに代表されるような社会課題の、真の課題はなんなのか?と言うことに対して、これほどまでに明確に回答をいただいたことに、衝撃をいただきました。
ではこの強欲という人類の古からある本質的な課題をどうすればいいのか?全く答えはありませんが、3つの観点があるかと思いました。
1、制度(ルール設計)
以前、このチャネルでお話ししたのですが、人類の根本的な行動として、友愛と暴力、というこの二つは、ある意味、類人猿の時から必ずあるものである、という認識が必要と、いうことを思い出しました
この強欲は、暴力ということに、とてもシナジーがある項目だと思うのですが、それに対して、人類は、これまでは、制裁、という形で、なんとか秩序を保とうとしていたということでした
古の制裁はかなり残虐なものだったということですが、現代においても、それはルールを逸脱したということに対して、社会的な制裁を与えるということが、その命綱になっているなと感じます
ただし、これも、国を超えてとなると、各々のルールの作り方や、どのようにそのルールが成り立っているのかによって、全然変わってくるし、違うルールの者同士を、いかに対話などによって擦り合わせていくかなども大きな課題としてあるなと思いました
2、技術(透明性・分散化)
これはまさに、昨今のビットコインから始まったブロックチェーンやWEB3という、人類が編み出した技術によって、力の集中を防いでいく取り組みになると思います
技術進化は、まさに人類の進化の一つなので、今この時点で、分散技術が出てきたというのは、もしかすると、なんらかの歴史的な意味を生んでいるのかもしれないなあとも思いました
人間の意思が関わらない形で、自動的に透明性や分散化が図れる世の中になるとすれば、力の集中による、意図的な強欲さを実現する暴力なども、もしかしたら、防げるようになるのかもしれない、そんなことも可能性の一つとしてあるのかもなあと思いました
3、文化(足るを知る・贈与)
文化というのは、実態が見えないので、表現が難しですが、例えば、老子さんが言われたような”足るを知る”といった教えを、子々孫々まで伝えていくことだったり
アメリカインディアンが、大切なことは7代先の子々孫々まで考えて、決定を下していくなどの、文化的な基盤が育成されているかということがとても大切かと思いました
さらには、近松悠太さんの、世界は贈与でできている、という私の大好きな書籍にあるように、実は、気づいていないところで、贈与というものが世の中を回している世界、そして、何十何も先にその贈与に気づいたら
ペイフォワードして、今度は誰かに贈与をする、ようなそんな文化が生まれている世界が、何よりも美しいと感じるような文化になれば、強欲的なこともなくなってくれないかなあという、淡い思いも抱きました
ということで、解決策は全く提示できないのですが、人類のたくさんの社会課題の多くを、実は、真の課題である、強欲にある、と言い切っていただいたことによって、それをなんとかできないのかという、イノベーションへの糸口が見つかるかもしれない、という希望をいただきました。
一言で言うと
真の社会課題は人の強欲さノベーション
そんな話をしています^^
参考:本: いまこそ、本物のサステナビリティ経営の話をしよう 二〇二五年八月一日発行 著者:山口 周×磯貝友紀 発行所 株式会社講談社
動画で観たい方はこちら