ノーベル賞受賞物理学者のソール・パールマッターさん、カリフォルニア大学バークレー校哲学教授のジョン・キャンベルさん、社会心理学者のロバート・マクーンさんによる、科学的に自らの意見を表明する方法について、目から鱗が落ちるお話を伺いました
曰く
"科学者になると、不確かさを表明する便利な習慣がいくつか身につく。そのひとつが、可能な場合に自分の予測に数字を当てはめて定量化し、予測を確率で表すというものだ。"
"絶対を謳う発言から一歩引くことができるこの能力は、蓋然的思考の重要な要素のひとつだ"
"私たちは、世界の理解を深め、より効率的に世界と共に生きていけるようになるために、世界についての記述を段階的に充実させてきた。最初はものに名前をつけることから始まって、次はカテゴリーや階層に分類するようになった。そしてものの測定が可能になると、数値化できる特性は測量し、いまではそうした定量化の一環として、私たちの自信まで定量化し始めたのだ!"
"ここまでの話を通じて、自分の発言に対する確信度を意見に反映させて共有すると、適切なタイミングで考えを変えられるようになり、その発言に過剰に入れ込んでいる可能性に気を配るようになるとわかってもらえたと思う。"
ここから私は思いました
1、自らの意見に問いを立てる
2、自らの意見の定量化を図る
3、リーンにアップデート可能になる
1、自らの意見に問いを立てる
ギュスターヴ・ル・ボンさんの群集心理によると、民衆を煽動するような演説は、1、断言、2、反復、3、感染という経路を辿ると言われていましたが、今回のお話は、それとは真逆のお話かと思いました
つまり、まずは自分自身の意見に対して、問いを立てるところから始めるのかなと思いました。
クリティカルシンキングにより、自らの現在の意見は、本当に、100%一点の曇りもない真実を話せているのか?
本当に疑義を挟み込む余地や、解決すべき課題はないのか?ということを、自問自答するところから始めることが大事と教えていただいた気がしました
2、自らの意見の定量化を図る
そして、そこからは、実際に100%断言できないのだとすれば、そこに、どのような課題があり、それらを加味することによって、現在の自らの意見は、何%確からしいのか?ということを定量化していくことが大切なのかもしれないと思いました
蓋然性という概念自体、私としては初めての出会いだったのですが、もしかすると、天気予報などに使われている、今日は雨の確率が70%です、というような表現が、まさにそれなのかと目から鱗が落ちる思い出もありました。
自らの主張の確からしさを、ある程度の定量化の確率で表すということは、実際にやろうとすると、またそれなりの時間をかけながら、課題感やその定量化が必要になるということでもあるかと思います。
そして、それをいうことによって、先に話した、群集心理のような、圧倒的な説得力を手放しながら、しかし、そこには、真実を追求しようとする真摯な態度と信頼感が逆に醸成されることになるのかもしれないと思いました。
実際、自分の意見は、こうなのだけれども、まだまだ課題はあり、その課題を考慮するこよにより、⚪︎%の確率で真実に近づいていると思います。というスピーチこそが、実は信頼感がおける意見表明かもしれないなと思いました
3、リーンにアップデート可能になる
これは、一見、回りくどい表現で、しかも断言せずに100%の自信ではなく、謙虚な言い方となるということ以外に
実は、これはリーンスタートアップのように、自らの意見自体を、仮説とみなしながら、さらなる検証が今後行われることによって、リーンにバージョンアップしてくことと
さらには万が一の際には、ひっくり返ることもありうるということも伝えることができる、という面において
自らをさらに進化を加速させる態度でもあると思いました。その態度が、新たな真の課題をきっと見つけ出し、本当に意味での解決策に結び付かせることができる、イノベータとしてのあり方かもしれない。
そんなことを思いました
一言で言うと
然的思考ノベーション
そんな話をしています^^
参考:本: THIRD MILLENNIUM THINKING アメリカ最高峰大学の人気講義 1000年古びない思考が身につく 電子書籍版データ作成日 2025年6月23日 第1版 著者 ソール・パールマッター ジョン・キャンベル ロバート・マクーン 訳者 花塚恵 電子書籍制作 株式会社ICE
動画で観たい方はこちら