第二弾!株式会社ココリーチの島田代表による感情を資産にする「LUMION」の衝撃を、さらに特徴、活用範囲、インパクト、費用感に至るまで、私と対談して、深掘り頂きました。
1、技術の特徴(心拍×発汗)
• これまでのやり方との大きな違いが「心拍×発汗」ということですよね。
• これまでは「心拍×脳波」だったけれども、発汗でやるのが御社の大きな特徴と考えていいんですか?
• そうですね。発汗と心拍の組み合わせは研究としてはありますが、プロダクトとしてやっているところは少ないので、弊社の特徴の一つになります。• 脳波はノイズが載りやすく、瞬きやあくびもノイズになる。除去に手間がかかり、社会実装には扱いにくい。
• そこで、自分でも研究で使っていた心拍と発汗を使うことにしました。
2、特許・独自資産
• パテント化はされていますか?
• 特許事務所に先行技術調査を依頼していて、取れそうな形は固まってきました。ただ資金力が足りず、最終的なGOが出せていないのが課題です。
• 大変ですよね。そこが独自性として面白いところだと思います。
3、POC(渋谷)と「精度」への向き合い
• キャッチフレーズ「感情を資産に」は分かりやすいですね。渋谷でPOCをやられて、ユーザーやイベント運営者の声はどうでしたか?
• 精度ってどれくらいなんですか?とよく聞かれるんですけど、AIや機械学習でいう精度と、一般の方が考える精度は違うと思っています。
• AIでいう精度は、学習データとテストデータに分けて、ラベル通りの結果が返ってくるかどうか。でも一般の方の精度は、自分が悲しいと思った時に「悲しい」と返ってくるかどうか。
• 私たちは「主観と客観は違う」と伝えています。アンケートの主観と、無意識下の生体反応は異なる。
• そこを心配していましたが、レポートを渡すと「ここ青くなっているのは、この時のことを思い出して悲しい気持ちになったんだ」と、自分の体験に紐づけて解釈する方もいました。
• アンケート以外の評価方法をどうするか悩んでいましたが、こういう情報も消費者にとって役立つと分かりました。
4、無意識の発見としての価値
• 意識していないけど「実はこう感じていた」が分かるんですよね。
• 心は10%くらいしか自分で読み取れていなくても、身体反応のデータから新しい感情の発見につながる。
• そのきっかけになると感じたのが今回のPOCでした。
5、イベント運営への示唆(位置×感情×時間)
• 参加者一人ひとりのレポートに加え、集計した最終レポートを運営にも渡しました。
• 位置情報とリアルタイム感情を取っているので、どのブースでどれくらい滞在し、どう感じたかが分かるのはありがたいとフィードバックがありました。
• 滞在時間と感情の盛り上がりを組み合わせて「タイパ的な指標」にできる。
• 感情分析ツールは世の中にあるけれど、対面ブースで「時間×感情×場所」が分かるのは強みだと思います。
• 例えば「この列がストレスポイントになっていたから誘導を変えよう」といった具体的な改善につながります。
6、日常・店舗への応用
• イベントだけでなく、店舗やショッピングモール、家電量販店などにも応用できる。
• 「今キャンペーン中なので装着してください」とやれば、どこでどんな感情が動いたかが分かる。
• 普通の店舗でも「どこでどんな感情が動いたか、その理由は何か」を探るデータになる。
• まずはライブやフェスなど新しいことを試しやすい場で導入し、その後、日常生活に溶け込ませていきたいと考えています。
7、見える化(色と指標)
• 光の色で今どんな気持ちか分かるように設計できます。
• 今回はバレンスだけでやりましたが、最終的には縦軸と組み合わせて「顧客満足度」と「ストレスレベル」を算出する設計です。
• 客観データをもとに「この色の時は自分が気づいていない感情を抱いている」ということをマッチングして見せることができます。
8、ライブの一体感・活用イメージ
• ゲーム的な使い方もできるし、ライブでは盛り上がると全員が赤くなるなど、一体感につながる。
9、料金・収益源
• B2B2Cで展開しています。
• 既存のペンライトは市場価格で約4000円。弊社のデバイスもセンサーを載せているが設計は近く、同等価格帯で提供可能。概算は3000円をミニマムに試算しています。
• システム利用料はデータの提供方法によって変わる。現在はその想定で試算しています。
• 感情データが集まって、それをどう活用するかこそがビジネスの種になる。
10、無線・現場対応とスケール
• Wi-Fiでやると混線が課題になるので、混線しない方式を民間企業と共同開発しています。
• 心拍や発汗をリアルタイムで多数から取得するためデータが重い。
• 現状は50人規模まで実績あり。
• 親機1台に小機100〜200台をつなげ、親機の数を増やすことで1万〜2万人規模の会場にも対応可能です。
ということで、もっと深掘りしたいですが、質疑応答はここまでにしました。現在資金調達中です!イベント業者や店舗を持っている方々にとっては、混雑状況だけでなく「感情状況」という新しい軸を入れられる。相当新しい展開につながりそうです。ぜひご連絡を頂けましたら、幸いです。
ということで、ソリューション紹介編は、このまでです。明日からは、島田代表のイノベーター人生編として、第三弾から開始しますので、お楽しみに!
参考:株式会社ココリーチホームページ
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