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木村琢磨さんより、ネマワシというとネガティヴなイメージがありますが、実はポジティブな捉え方をすることで、イノベーティブな交渉術との側面があるのではないかと気付かされました

曰く

"ネマワシに似たバックステージ・ネゴシエーションがあるにもかかわらず、「ネマワシ」という日本語がそのまま英語として使われるのはなぜでしょうか?"

"それは、根回しが日本特有の社会的文脈や価値観と深く結びついており、翻訳ではとらえきれない側面があるからです。"

"たとえば、根回しには「メンツを保つ」という目的があります。"

"また、根回しは「上下関係」や「年功序列」といった社内の序列への配慮も含みます。"

"さらに、根回しは「不確実性を嫌う」という日本文化の反映でもあります。"

"一方のバックステージ・ネゴシエーションは、より交渉としての色合いが強いものです。日本の根回しに比べて、明確な利害対立を前提とした利害調整や、戦略的な譲歩、そして合意形成が強く意識されています。"

"このように「根回し」と「バックステージ・ネゴシエーション」は似て非なるものです。「根回し」という言葉は日本独自のものですが、根回しに近い行動は、海外でも重要な意味を持つことを理解しておく必要があります"

ここから私はネマワシのポジティブな側面を思いました

1、中長期的な効率性

2、仲間としての配慮

3、妥結へのパッション

1、中長期的な効率性

"ネマワシ"ということが日本文化独特のため、海外でもそのままの名称を使われているのか!ということに衝撃を頂きました

ネマワシは、そのために時間をかけて事前にさまざまな人たちへのアクセスと交渉が必要になるので、非効率な側面がありますが

一方では、中長期的にその後の展開を考えると、メンツを潰された人の嫌がらせや、次のフェーズでひっくり返されたりすることが、人間の世界は感情も含んでいるので、出てくる可能性もあるよなあと

そう考えると、特にメンツを重んじる文化や、そういう人が絡んでる交渉の場合には、中長期的な効率性の面からも、とても重要なスキルということになるなあと思いました

2、仲間としての配慮

交渉相手や説得する相手は、たとえその時には敵の位置付けにあったとしても、ゆくゆくは味方になってもらえるととても力になってくれる場合も、出てくるかもしれないなあとおもいます

そういう意味で、ゆくゆくは仲間になってもらうことを見越した上で、先方が本当に望んでいることは、何なのかを知って、そこに配慮できる内容にするためにも、ネマワシは必須になってくるよなあと思いました

それはもしかすると、敵対する相手のような存在でさえも、一緒に目指すことができるところはどこなのかを、将来の仲間として配慮することがとても重要な気がしました

3、妥結へのパッション

FastFailのように、何度もコミュニケーション可能な場合には、時間をかけずに突撃が良いとおもいますが、この勝負は絶対にここで決めなきゃいけないという場面においては、ある意味、妥結へのパッションとして、ネマワシが必須になる場面もあるとおもいます

交渉の場のパッションも必要ですが、その場で良い結果を得るためには、あらゆる選択肢を厭わない、と考えると、ネマワシへの熱いバッションもでてくるよなあと思いました

国際関係のネゴシエーターという方もおられますが、まさに、何としても妥結をするというパッションの下に、敵対する相手だとしても仲間とみなして、そして双方の目指すことのできる大義を

ネマワシという、もしかしたら、日本に根づいている独自の、ネゴシエーション方法により、これまで解決できなかった関係でさえも、妥結へ向かうことができる

そんなすごいイノベーティブな方法の一つなのかもしれないなあと思いました

そんな話をしています^ ^

参考:本: 社内政治の科学 経営学の研究成果 電子書籍データ作成日 2025年11月4日 第1版 著者   発行 株式会社日経BP