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『機動戦士ガンダム』でキャラクターデザインや作画監督、41歳の時に漫画家に転身して、歴史や神話を題材にした作品を数多く描いてきた安彦良和さんの言葉に感動と共に気づきをいただきました

曰く

"悪いやつだな、死んだね、良かったねっていうのも快感かもしんないけど、もっと快感なのは赦すっていうことでしょうね。

それが彼ら例えば当時のキリスト者にとっての勝利だったんじゃないかっていう気がするんだよね。

わかり合えない、でもそれが普通のありのままの姿なんだっていうふうに思うことは間違ってないと思うんですけどね。

だからそこで絶望しないっていう、まあ、きれい事ばっかりになっちゃうんだけど。

絶望しないで、なかなかうまくいかないね、だけどうまくいくといいねっていうのがね、落としどころじゃないのかなって気がするんですよ。"

ここから私は思いました

1、ネガティブケイパビリティ

2、勝利の定義の反転

3、赦しは未来を開く技術

1、ネガティブケイパビリティ

分かり合えない、ということを大前提として、考える中で、どうしても抜け出せないことが多々あるように思います。その時でも、そこに絶望しないでなんらかの道を探り続けるというのは、まさにネガティブケイパビリティなのかもなあと思いました

詩人のジョンキースさんが言われた言葉とのことですが、イノベーションの世界でも、分かり合えない、どうしても分からない、ことが目白押しな時に、それでも本当の解決すべき課題がどこにあるのかを探り続けることは、めちゃくちゃ大切なことだと思います

特に対立する二つの考え方がある中に、各々の正義のもとに真摯に向かい合ってる中で、所詮は分かり合えないのだと一刀両断するのか、なんらかの落とし所があると考え続けるのか、ここにかかってるのかもしれないなあと思いました

2、勝利の定義の反転

勝利の定義は、基本的には、どちらかがどちらかを打ち負かす、それによって主張を通す、場合によっては、思い通りにコントロールできるようになるっていうことかと思いますが

それが本当の勝利なのか?という問いがあっても良いということかと思いました。短期的にはそれはそうかもしれないが、子々孫々まで果たしてその状態を維持することがができるのか?という観点に立つと、そこに違和感が出てくるということもあるかと思います

ニーチェさんの「怨恨(ルサンチマン)」の思想では、

「敵を倒すことに生きがいを見出す者は、永遠に敵を必要とする」と言われているとおり、そのループから抜け出すためには、赦しという、ソリューションにより、敵を倒すのではなく、敵という構造そのものを不要にする行為で永遠の勝利を得るという方向性もあるということを意識できるか、ということがあるなあと思いました

3、赦しは未来を開く技術

そう考えると、赦し、というソリューションは、長年の過去の歴史を変えることができる、中長期に役に立つ方法であり、言い方を変えると、未来を新たな方向へ開いてくれる、そんな技術とも言えると思いました

政治哲学者のハンナ・アーレントさんが『人間の条件』の中で述べている通り、「赦しとは、過去の行為が未来を完全に拘束してしまうことから、人間を解放する能力である」とのとおり、赦しは善意や道徳ではなく、未来を開く技術と捉えることが大切かと思いました

イノベーションの世界でも、オープンイノベーションは、デイスラプティブなベンチャーとレガシーな大企業が組むことによって、お互いの利益は独り占めせずに、事業のスピードやさらなる飛躍を得ることができるという、中長期的なメリットを狙うという意味では、ある意味、お互いを赦す部分を持つ、そんなところがポイントになるのかもしれないなと思いました

ということで、一言で言えば

赦す快感ノベーション

そんなことを感じました^ ^

参考:NHK こころの時代ライブラリー わかり合えないをわかりたい 安彦良和 初回放送日 2023年11月3日(金)  https://www.web.nhk/tv/pl/series-tep-WQMY9J5P38