経営思想界のアカデミー賞と言われるThinkers 50で3人目となる生涯功績賞を受賞されている希代の経営学者のミンツバーグさんのお話にイノベーションの真髄を教えて頂きました
曰く
"一口に創造性といっても、実は2種類あると思っています。一つは、私が「偉大なる創造性」(spectacular creativity)と呼んでいるものです。"
"もう一つの創造性は、私が「普通の創造性」(ordinary creativity)と呼ぶものです。"
"その典型がイケアの例です。どうして「組立式の家具」を売るというアイデアにたどり着いたのでしょうか。普通なら、会議で誰かがアイデアを出したと思うでしょう。"
"ある社員が写真撮影のためにテーブルを車の荷台に積み込もうとしたのですが、そのままではうまく入らず、彼は仕方なくテーブルの脚を外したのです。
その時に訪れたのが戦略的に極めて重要な瞬間でした。「ちょっと待てよ。自分たちがこうして脚を外そうとしたように、お客様も同じことをしているのではないか」。"
"1つ目は、その小さな気づきそのものです。2つ目は、それを企業の戦略にまで高められる文化の存在です。
マネジメントとは、人々にそういう発想を促す文化を育て、そのようなアイデアが組織の中を通って上層まで届くようにする仕組みをつくることなのです。"
ここから私は思いました
1、誰もが創造者になる
2、掬いあげる仕組み
3、多産多死を受け入れる
1、誰もが創造者になる
このお話を聞いてまず思ったのが、ハーバード大学・京都大学名誉教授の広中平祐先生の言われる「誰かに編み物をしてあげたり、庭の手入れをしたり、日々の工夫をして生きている人たちは、みんな創造者である」と言う言葉でした
良くイノベーターは、変わり者だとか、10パーセントいればいい方などの話がありますが、それは、ミンツバーグさんの言われる「偉大なる創造性」の方々のことで
では、そうではない人たちに、イノベーションは起こせないのかというと、全くそうではないと、私も思っています
広中先生のいうとおり、実は日々の工夫が、イノベーションの種なんだというマインドセットだったり、FastFailしながらゴールに近づく方がイノベーションは進めやすいなどのスキルセットを、普通の人たちにも埋め込んでおくということが、まずは大切と思いました
2、掬いあげる仕組み
ミンツバーグさんのお話でもあった通り、はい、じゃあ、ら今日からイノベーションやるチームですとかで、20-30人集めたところで、はい、イノベーション考えてと言われてもなかなかうまくいかないものだと思います
なぜならば、イケアのこの社員のように、イノベーションへの掲示は、ある時突然、訪れるからです。セレンディピティの塊なわけです。
日々の生活の中で、突然、誰かに気づきは訪れるので、その気づきをうまく掬い取れる仕掛け作りがとても大切ということかと思いました
それは、アイデアコンテストも一つの方法ですが、さらに、各々の現場で何らかの気づきがあったら、みんなで共有して、上の人がまたそれをポジティブに検討してみる、という流れがとても大事だと思いました
太刀川さんの進化思考で言えば、適応側よりも、変異側の動き、それも、バカじゃないの、というような話を、ニーチェの解釈論よろしく、面白いかもしれない、とどんどん重ねて、かつ上に登っていくことができる、そんな仕組みが大切だと思いました
3、多産多死を受け入れる
以前、弱者の戦略として、多産多死があるとのお話をしたこともありますが、イノベーションにおいても同じだと思います
どうしても経営では、効率化を求めて、コアコンピタンスへの絞り込みで、人モノ金を突っ込むというのがセオリーですが、イノベーションに関しては全く逆と考えておくことも大切と思いました
なぜなら、社員の誰もが種を生んでは可能性がある、しかもそれは、セレンディピティで、いつ誰に起きてるかわからない、だとすると、いつどこでセレンディピティが起きても、着実に拾える、そして無数に上がってくる事柄を、どんどん淘汰させていく、こんな多産多死を受け入れていく仕組みづくりがとっても大切だと思いました
と言うことで、企業におけるイノベーションは、誰もが創造者になれるという前提で、常日頃現場の気づきを拾い上げ、そして多産多死の覚悟で淘汰をさせていく、そんな仕掛けが必要なのかもしれないなと思いました
ひとことでいうと
「普通の創造性」ノベーション
そんなことを話してます^ ^
参考:本: H.ミンツバーグ経営論[増補版] 2025年11月18日 電子版発行 著者—ヘンリー・ミンツバーグ 編訳者—DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー編集部 発行所—ダイヤモンド社