間を適切につなぐノベーション(1763回)
最近、あらためて「デザイン」という言葉の意味を考えさせられました。
NHKの「最後の講義」で、デザイナーの佐藤卓さんが、こんなことをおっしゃっていました。
「ありとあらゆるもの、必ず人に届く時には、デザインを経るっていうことなんですね。」
そして、
「このデザインというのは、こういう間をつなぐすべての物事の間を適切につなぐことなんじゃないか。」
この言葉を聞いて、私は、デザインとイノベーションの深い関係性を改めて思いました
今日は、そこから3つの気づきです。
1、届く瞬間を設計しているか
2、“間”をどうつなぐか
3、意味を編み直せているか
1、届く瞬間を設計しているか
技術やアイデアは、作った瞬間にはまだ社会に存在していないのだと思います。
誰かに届いた瞬間に、初めて価値になる。
ノーベル賞経済学者ハーバート・サイモンは、
「デザインとは、現状をより望ましい状態へ変える行為である」と述べました。
突破することよりも、
届ける構造を設計しているか。
私はここを問い直したくなりました。
2、“間”をどうつなぐか
佐藤さんは、デザインとは「間をつなぐこと」だと言います。
技術と人。
企業と社会。
意図と受け手。
哲学者マルティン・ブーバーは、「真の関係は“あいだ”に生まれる」と語りました。
イノベーションは、ある意味、これまでなかった関係性の中から立ち上がるのだと思います。
どこを、どうつなぎ、どうつなぎ直すのか。
そこに創造の核心がある気がします。
3、意味を編み直せているか
佐藤卓さんの仕事は、関係性を整えることで、さらに意味を整えることに見えました。
記号論のロラン・バルトは、意味は文脈の中で構築されると言っています。
つまり、
新しいものを作ること以上に、
既存の意味をどう再編集するか。
ここにイノベーションの芽があるのではないでしょうか。
ということで、
デザインとイノベーションは非常に強い繋がりがあるなあと改めて思いました
一言で言うと
間を適切につなぐノベーション
そんな話をしています
参考:NHK 最後の講義 デザイナー 佐藤卓 1月7日(水)午後10:00 https://www.web.nhk/tv/pl/series-tep-4N7KX1GKN7/ep/MJYK79J5QN