脚本家の大石静さんが、何にこだわって脚本を書いているか、に関する考え方に、真のイノベーターマインドを頂きました
曰く
"常に意識している事は、規制の価値観を疑ってみると言うことです。さっきの全共闘の話もそうですけど、世間で正しいと言われていることが、誰にとっても正しいのか、必ずそれを考えてみることをドラマの中でやりたいと思っています。"
"不倫を肯定したり、奨励したりする気持ちではありません。しかし、常識の向こう側にあるもの、規制の価値観の向こう側にあるものを見ようとする心が私たちには必要なのではないかと思います。この世の真実を探し続けてドラマを描き続けたいと思っています。"
ここから私は思いました
1、「反証可能性」by カール・ポパー
→クリティカルシンキング
2、「善悪の彼岸」by ニーチェ
→ラテラルシンキング
3、「方法的懐疑」by デカルト
→グリッド
大石静さんの作品は最近では、"光る君へ"が空前の大ヒットとなってる、私の大好きなドラマの一つでもあるのですが、その秘密がやはりイノベーターマインドに溢れているからこそ、惹きつけているのだなあということが、改めてわかりました
一つは、カール・ポパーさんが言われている、「反証可能性」のように、常日頃から物事の表側だけでなく、裏側に何があるのか?自分たちが当たり前に思っていることが、本当にそれで良いのか?ということを、反証し続けるマインドセットを持たれているんだなあと思いました
それはイノベーションの世界で言うと、クリティカルシンキングのように、常に批判的な思考をすると言うことにつながってるかと思います。新しいことは良い面悪い面考えますが、難しいのは、当たり前になっていることに、この目を持つことこそが、良き脚本、またはイノベーションの種を見つける源泉かと思いました
また、不倫のような一般的に不道徳と思われることについての切り込みが、ドラマの中ではめちゃくちゃ面白いのですが、その秘密として、ニーチェの「善悪の彼岸」を思い出しました。例えば、愛する人を守るために嘘をつくことみたいに、愛からなされること」は「善悪の判断を超える」と言うような問いかけが、一層ドラマを面白くしているのかもしれないなあと改めて思いました。
これはイノベーション的な話からすると、普段の常識に違う観点から、そもそもを問い直す、ラテラルシンキング的な考え方にもつながるなあと思いました。
そして、そういった挑戦を常に疑い続けながら諦めずに突き進む姿勢は、デカルトの、「方法的懐疑」のように、常に真実を追い続け、疑い続け、問い続け、そして諦めない、グリッドな姿勢も、ひしひしと感じました
さらにそこから驚愕なのは
"表の2割で裏の8割を感じさせるのが脚本の仕事で、小説よりもテクニックがいると私は思っているんですけれども"
とおっしゃっていたように、そういった数々の規制の価値観を揺るがす思考を、裏に隠れていながらも沸々と湧いている思いを、脚本家の物凄い技術で見事に表の2割で描くという、圧倒的スキルを持たれている、真のイノベーターなのだなあと、感動させて頂きました
一言で言うと
表の2割で裏の8割を感じさせるノベーション
そんなことを感じました^ ^
参考:NHK Eテレ東京 最後の講義 脚本家 大石静
2025/3/12 https://www.nhk.jp/p/ts/4N7KX1GKN7/episode/te/4LKLYNJG5N/
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