知らざぁ言って聞かせやしょう、ビオロッカらじお!!
この番組はラロッカが聞き手となり、古典芸能おたくのビオレに他ではなかなか聞けない古典芸能の楽しみ方を聴いちゃいます。
今回は人形浄瑠璃文楽・歌舞伎の三大名作『菅原伝授手習鑑』(すがわらでんじゅてならいかがみ)より「寺子屋」についていろいろ語ります。
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◆《玄蕃》「ヤイ源蔵、最前玄蕃が目の前で討つて渡そと請合ふた菅秀才が首、サア受取らふ」と手詰の催促、ちつとも臆せず、《源蔵》「かりそめならぬ右大臣の若君、掻き首捻ぢ首にもいたされず。しばらくの御用捨」と立ちあがるを
《松王丸》「アイヤその手は喰はぬ。しばしの用捨と隙どらせ、逃げ仕度いたいてもナ、裏道には数百人を付け置く、蟻の這ひずる所もない。まッた、生き顔と死に顔は相好の変はるなどと、身代わりの贋首、サそれもたべぬ。古手な事して後悔するな」と言はれてぐつとせき上げ、
《源蔵》「要らざる馬鹿念。病み呆けた汝が眼がでんぐり返り、逆さ眼で見ようはしらず、紛れもなき菅秀才が首、追付け見せう」
《松王》「ム、その舌の根の乾かぬ内、早く討て」
《玄蕃》「疾く切れ」と玄蕃が権柄、
《源蔵》「ハハァ」『ハツ』とばかりに源蔵は、胸を据ゑてぞ入りにける。
◆松王は奥に片してあった机の数を数える。
《松王》「机の数が一脚多い、その倅はいずれにおるぞ」[…]
《戸波》「イヤこりや今日初めて寺入り、イヤアノ寺参り…」
《松王》「なに、なにを馬鹿な」
《戸波》「オヽそれ/\、これがすなはち菅秀才のお机文庫」と、木地を隠した塗机、ざつとさばいて言ひ抜ける。
◆松王「無礼者め」、ツケ入りの見得。
◆《源蔵》「是非に及ばず。菅秀才の首、討ち奉る。いはゞ大切ない御首、性根を据ゑて、松王丸、しつかりと、検分せよ」忍びの鍔元くつろげて、『虚と言はゞ切り付けん、実と言はゞ助けん』と堅唾を呑んで控へゐる。
《松王》「なにこれしきに性根所かハヽヽヽヽ。今浄玻璃の鏡にかけ、鉄札か」
《玄蕃》「金札か」
《松王》「地獄」
《玄蕃》「極楽の境。」
《松王》「源蔵夫婦を取巻き召され」『畏まつた』と捕手の人数十手振つて立ちかゝる、女房戸浪も身を堅め、夫はもとより一生懸命、「実検せよ」と、言ふ一言も命がけ、後は捕手向うは曲者、玄蕃は始終眼を配り、『こゝぞ絶体絶命』と思ふ内はや首桶引寄せ、蓋引明けた首は小太郎、『贋と言ふたら一討ち』と早や抜きかける戸浪は祈願、『天道様、仏神様、憐み給へ』と女の念力、眼力光らす松王が、ためつ、すがめつ、窺ひ見て、
《松王》「若君、菅秀才の首に相違ない。相違ござらぬ。でかした。源蔵よく討ったな。」
言ふにびつくり源蔵夫婦、あたりきよろ/\見合はせり。
★人形浄瑠璃のシーンはこちらから↓
https://www2.ntj.jac.go.jp/dglib/contents/learn/edc23/com/com_scene5.html
◆胸なでおろし源蔵は、天を拝し地を拝し、「ありがたや忝なや。わが君の御聖徳顕はれて松王めが眼がくらみ、若君と見定めて帰りしは、天成不思議のなすところ。御寿命は万々年、悦べ女房」
「イヤもふ大抵の事ぢやござんせぬ。あの松王めが目の玉へ、菅丞相様が這入つてござつたか、たゞしは首が黄金仏ではなかつたか。似たといふても瓦と黄金、宝の華の御運開きと、あんまり嬉しうて涙がこぼれるわいなあ」
◆小太郎の母が戻ってくる。源蔵は奥で遊んでいると嘘をつき、背後から切りつけようとするも、殺気を感じて母は身構える。
◆わが子の文庫ではつしと受け止め、「若君、菅秀才のお身代り、お役に立てゝ下さつたか、ただしはまだか、サササ、様子が聞きたい」と、言ふにびつくり、「シテ/\それは、得心か」
「アイ、得心なりやこそ経かたびらに、六字のはた」「シテ其元はいずかたの御内証」と、尋ぬるうちに門口より、
《源蔵》「梅は飛び桜は枯るゝ世の中に…」
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