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# タイムスタンプ

(0:00) Intro: SandyさんのThanksgiving (感謝祭) 

(5:12) FTXアップデート:BlockFiとGenesisの状況

(12:58) Zelleが詐欺に対するポリシーを策定か

(14:05) 利上げ局面のネオバンク・金利は隠れたCAC?

(29:09) Fintechは地獄のフライホイールから脱却できるか

# 今回取り上げたトピックと参考資料

・BlockFiとGenesisの状況

FTX破産の余波が続いています。LUNA/USTの暴落、3ACの破産などで大きく影響を受けたものの、FTXから救済を得ることで生き残ってきたBlockFiもついに破産申請(Chapter11)をしました。破産申請によるとAnkura Trust CompanyやFTX US, 米国証券取引委員会などに対して合計$1.2Bほどの債務を負っているようです。

またGenesisも引き続き危機に陥っているようです。Genesisは今年半ばからの騒動で大きな損失を負い、親会社のDigital Currency Groupからの救済を得ることで生き残っていますが、この返済期限は2023年5月に迫っているようです。そこまでにどうやって資金を確保するかが鍵になってきそうです。

BlockFi files for Chapter 11 bankruptcy

U.S. crypto broker Genesis says it is working to avoid bankruptcy filing

・Zelleが詐欺に対するポリシーを策定か

アメリカのP2P口座間直接送金サービスZelle上で多く発生している詐欺に対し、運営母体であるEarly Warning Servicesは詐欺に対するポリシーを策定する方向のようです。これは上院議員のエリザベス・ウォーレン氏によって追及されていた事案でもあります。

具体的には、詐欺によって行われた送金が届いた銀行(詐欺師が口座を保有する銀行)が責任を負うという形になるようです。

Banks Plan to Start Reimbursing Some Victims of Zelle Scams

・利上げ局面のネオバンク・高金利は隠れたCAC?

著名VCであるa16zは、利上げ局面においてネオバンクが提供する高金利は隠れたCACであると主張しています。ネオバンクは一般的に伝統的な銀行よりも高金利を提供することで顧客を獲得してきましたが、a16zはこれをのCACとして捉えるべきだとしているようです。

競争が過熱し、差別化が難しくなったネオバンク。良いユニットエコノミクスを保ったままに良質な顧客を獲得することが重要となっていきそうです。

・Fintechは地獄のフライホイールから脱却できるか

同じくa16zはブログにて、Fintech業界は競争の激化によって、マージンを拡大してもサービスが急速にコモディティ化することでそれがすぐに食い潰されてしまう、という地獄のフライホイールに突入しているという状況が発生しているとしています。VC投資が過熱していた2021年と打って変わり、現在の利上げ局面で高騰する資本コストに対し、効率的な顧客獲得が求められるようになっています。

この状況に対しa16zは非インフレチャネルを開拓するべきだと主張。それには販売代理店のようなB2B2Cモデルの構築、B2CからB2Bへのビジネスモデルの移行、競争の激しくない、民主化されていないチャネルを使うことが有効だとしています。

a16zのこれらの記事から考えられること、学べることを議論しました。

Deposit Beta: CAC in Disguise (November 2022 Fintech Newsletter)

Escaping Hell’s Flywheel: Building Non-inflationary Distribution Channels | Andreessen Horowitz

# 話し手

瀧 俊雄

執行役員 CoPA(Chief of Public Affairs) 兼 Fintech研究所長

https://twitter.com/sutebuu

Sandy Kimura

Money Forward USA, President

https://twitter.com/rakeemrakeem

小林 豪

Public Affairs室

https://twitter.com/GOU_0013