# タイムスタンプ
(0:00) Intro: Startup Studio室田中さんの自己紹介
(4:13) Fintech業界のメガラウンドはどこにある?
(43:18) SaaSの新たな戦略「グロースバイアウト」とは?
田中さんの記事はこちら:
Abound:https://note.com/ttanaka0731/n/n84837bdf13a4
Stori:https://note.com/ttanaka0731/n/nf461a5ac923f
# トピックス
(4:13) Fintech業界のメガラウンドはどこにある?
今回は、$100M以上の大規模資金調達(いわゆるメガラウンド)について、マクロとミクロの目線で議論しました。まずはマクロ的な視点から、メガラウンドが多く生まれている国はどこか、過去と比較して増加しているのかなどについて触れ、その後、注目すべき企業についてご紹介します。
1.Abound (8:03)
Aboundは英国で消費者向けローンを提供する会社です。Renderと呼ばれるAIベースの審査を強みに、2020年の創業からわずか3年で早期に黒字化し、これまでに$400M以上のローンを実行しています。今年5月にはデット、エクイティを含め£800Mの調達に成功しました。
2.Stori (18:39)
Storiはメキシコのネオバンクです。Nubankが切り拓いた南米のデジタルバンキングサービスをメキシコに特化して提供しており、サービスラインは貯蓄口座とクレジットカードのみながら、すでに300万ユーザーを抱えるビッグサービスになっています。NubankやUalaといった他国のサービスもメキシコに進出する中、今年8月にはRedpoint VenturesやGIC、General Catalystといった名門VCから$212Mの資金調達を成功させ、真っ向から勝負を挑むようです。
3.Scayl (26:38)
Scaylはスウェーデンで2023年に設立された企業です。まだ本格ローンチ前ですが、融資等の多額の資金を必要とするサービスを行うFintech企業に対し、他の金融機関から集めた資金でバックファイナンスをするサービスです。貸出残高が一定程度まで大きくなれば、債券流動化などファイナンスの手段が広がりますが、走り始めのタイミングで規模が小さい場合、資金集めの難易度は高くなってしまうことが一般的です。Scaylはその課題を解決することを目指しているようです。Fintechの走り出しの課題を解決するサービスは、画期的かつFintech業界全体のスケールに寄与すると思いますので、ぜひ成功して欲しいと思います。
4.AtoB (32:30)
AtoBは運送会社、トラック運転手に特化した法人の資金管理効率化サービスです。YCombinatorにも採択された同社は今回、シリーズCでGeneral CatalystやBloomberg Beta、Mastercardから$130Mを調達しました。AtoBはトラックドライバーへの給与即時入金や運送会社向けの不正防止、経費管理機能など、幅広い金融サービスを提供しています。この領域はCorpayやWexといった企業がシェアを握っており、前者の時価総額はなんと3兆円を超えています。後発のAtoBが今後どのようにシェアを広げていくのか、注目です。
https://forbesjapan.com/articles/detail/49979
(43:18) SaaSの新たな戦略「グロースバイアウト」とは?
Slow Venturesが提唱したSaaS企業の新たなGTM戦略「グロースバイアウト」。”より良いサービス/プロダクト”だけではどうしても開拓できない市場に対し、自社ソフトウェアを持ちながらその領域の事業会社を買収することで拡大していく戦略です。
どの市場でもSaaSの競争が激しくなっていく中、資本でレバレッジをかけて成長するグロースバイアウトでいくつかの成功例も出てきているようなので、今後日本でも広まっていくのか注目です。
# 話し手
瀧 俊雄
グループ執行役員 CoPA(Chief of Public Affairs) 兼 Fintech研究所長
https://twitter.com/sutebuu
田中 隆悠
マネーフォワード Startup Studio室
小林 豪