・オープニングと前回の振り
・アジア系って一括りにするの乱暴じゃね?
・ 人間はラベリングすることで理解し、ラベリングから解き放たれることで成長する?
・ 世界でのアジアの、日本の認識って甘くない?
・これからはアジアに焦点が当たる?
・『ダッシュ&リリー』
・ヤオロズの神の精神とコンマリ
・『ハーフ・オブ・イット: 面白いのはこれから』
・ アジアの描かれ方
・ MCUとアジア系
・ まとめ
ひとくちにアジア系といってもアジア圏は広い。
インド人まで一括りにしてアジア系というには乱暴すぎる。
そもそもアジア圏の中でもそれぞれをちゃんと認識できていない。
我々は常に加害者にも被害者にもなりうるし、現に今なっているかもしれない。
アジア系と一括りにすることの乱暴さは、白人・黒人などと一括りにすることの乱暴さを教えてくれる。ラベリング恐るべし。
人は必死に名前をつけること(ラベリング)で物事を理解しようとして、そして、そこから逃れる努力をしなければならないのだから、なんだかバカらしいけれど避けては通れない。
中国系アメリカ人の同性愛者が主人公の『ハーフ・オブ・イット』のような作品も含めて、アジア系を描こうとすること=アジア系が受け入れられつつあること は世界的な流れになってきている。
それは、アトランタで起きた悲惨すぎる事件から更に増しつつあるAsian Hateも相まって加速するだろう。また、アジア系=オタク という(良くも悪くもな)ステレオタイプの表現は『ダッシュ&リリー』,『ハーフ・オブ・イット』そして、この後に登場する『ミズ・マーベル』にも垣間見える。アジア系の戦いはまだまだ始まったばかりなのかもしれない。
ここで自分のフィールドに戻すと、このような流れの中でMCUがどのような動きをしているかを見るのは重要だし意味があると考える。なぜなら、MCUは世界的なアイコンを作り出す大作だからだ。
2008年から始まったMCUは2018年に初めて黒人主人公の『ブラックパンサー』を公開し、2019年に初めて女性主人公の『キャプテン・マーベル』を公開した。
人種やジェンダー問題の中でしばしば取り上げられる黒人・女性について、10年もかかったが、ちゃんと描き始めたMCU。このうちの黒人描写に関しては2021年ドラマの『ファルコン&ウィンターソルジャー』で、さらに洗練させている。
そして、黒人・女性のアイコン登場から2,3年の遅れをとって、やっと2021年に初めて中国系アメリカ人主人公の『シャン・チー』と、パキスタン系アメリカ人主人公の『ミズ・マーベル』という作品が公開・配信される。
この公開順からもアジア系の戦いは始まったばかりだということがうかがえる。MCUが始まって、アジア人ヒーローが描かれるまでに10年以上かかってしまったということをしっかりと描いてくれたら嬉しい。
繰り返しになるが、これまで自分の人種というものを深く認識したことはなかったけれど、アジア系は、日本人は、世界ではどのように見られているのかを改めて認識しなければならない。
自分の人種を深く認識していないと言うことは、他の人種についても深く認識していないのと同義である。それは人種に限らず、ジェンダー,職業,出自,年齢,etc…にも言えることである。
「無知は凶器」を肝に銘じたい。
【参考】
・『ダッシュ&リリー』(https://www.netflix.com/jp/title/81037871)
・『KonMari ~人生がときめく片づけの魔法~』(https://www.netflix.com/jp/title/80209379)
・『ハーフ・オブ・イット: 面白いのはこれから』(https://www.netflix.com/jp/title/81005150)
・『Asian Hateを考える (前篇)/ こんにちは未来』(https://open.spotify.com/episode/0vhIMJ79Wwydyqvv14St4M?si=RmacZP7hQPCx00xjVZdUtg)
・『Asian Hateを考える (後篇)/ こんにちは未来』(https://open.spotify.com/episode/360pk8NR5IFVNvSoVrw55Y?si=bmUuZ1BvTaKFFCaINrBCbA)
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