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今回ゲスト、エバーグローイングパートナーズ株式会社 代表取締役 佐藤 将之氏は、

アマゾンジャパンの立ち上げメンバー。サプライチェーン、書籍仕入れ部門を経て、2005年よりオペレーション部門にてディレクターとして国内最大級の物流ネットワークの発展に寄与されています。

現在は鮨職人として日本の食文化の発展に携わるとともに経営コンサルタントとしてご活躍されています。

佐藤さんに「事業の仕組化」について聞いてみました。

▽実際の戦術について聞かせてください。

私のお話しすることは、世の中の皆さんは知っているはずなのにちゃんと実行できていない、もしくは間違えた捉え方をしてしまっている事柄がほとんどです。

Amazonというのは誰もが知っている当たり前のことを愚直にやっている会社です。

ただ、その徹底度合いが違うので、あそこまで成功できているんです。

Amazonも初期のころは割と大きな数字、会社のゴールや売上を追いかけていましたがどんどん分解されて行きました。

例えば8020でやっていた時代からロングテールに代わった瞬間にKPIを変更しました。

時代の変遷を経てどんどん細かい数字をきちんと追いかけていく。

その数字を見ることによって最終的な売り上げを確保していく様になっていきました。

倉庫の方でもFBAのセラーさんの商品が在庫有りにならないトラブルが発端でセラーさんに迷惑をかけないようにKPIが入れ替えられました。

提供するサービスレベルによってKPIもどんどん変えていかなければならないが、KPIをやっていますとおっしゃる会社さんのほとんどが5年間・10年間と同じ数字を見ています。

▽そもそも、どうやってKPIを考えたらよいのでしょうか?

私がKPIを作るセミナーで良くお伝えするやり方ですが、最初から会社の数字の分解をやると難しく考えてしまいがちなので「10Kg痩せる」という目標に対してのKPIの設定の仕方を考えてもらいます。

当然、最初にゴールを決めなければいけません。

次に、どんなアクションを取らないと目標を達成出来ないかというのをクリアにします。

何をするかが決まったら、今度はそのアクションが正しい状態でできているかどうかを、どういう数字を見たら測ることができるかを考え、それに目標を設定するわけです。

その目標を毎回クリアするように進めていくことが最終的に10Kgやせるための行動であり、KPIです。

実は、とてもシンプルで実際に皆さんが普段の生活の中でやっていることです。

一番大事なことは、どういう数字を見るかではなくて何をするかなのです。

それを会社の指標に当てはめて、目標に対して起こしているアクションを何の数字で見るかを設定して目標を決める。

次にそのアクションをゴールにしてそれを達成するためのアクションを設定する。

このように、ゴールとKPIをずらしていくと因数分解が自動的にできてくるのですが、皆さんあまり上手にできていない印象です。

▽漠然とわかっていても、具体的な数字に落とし込めていないと感覚値でやってしまっているんですね。

皆さん行動はしているんですが、それがどういう数値を目標にしていて今それがどういう状態なのか聞かれても答えられない。

KPIの大きな流れというのは、本当はツリー構造になっていないとおかしいはずです。

それができていれば一般の社員が追いかけている数字が会社のトップのゴールに紐づいているはずなんです。

しかし紐づいていないと従業員は「なんでこの仕事やってるんだろう?」と疑問に思う。

おそらく多くの方が何の役に立つのか疑問に思いながら仕事をしています。

Amazonは、自分がやっている仕事というのが会社のゴールに対して非常にシャープに紐づいています。

なぜこの仕事をしなければいけないのかをみんなが理解して、逆にこの仕事は意味のない仕事だと思ったらその意味を聞いて確認します。

それができているということは、やはりその因数分解がきちっとできている証拠だと思います。

▽それができている会社は離職率が少なくなるわけですね?

決められた目標を管理する仕組みがあって、その評価が納得いくかたちで与えられて次の年を迎えるという仕組みが動いているからこそ、Amazonは離職率が比較的低いのだと思っています。

Amazonの場合は、当然数値目標というのは決められていますが、それだけではなくリーダーシップ理念との2軸なのです。

どんなに数字が良くてもOLPが低いと評価されません。

チームをリスペクトしてお互いを信頼した行動ができているかどうかは、もう一つの軸で見ているわけです。

当然、両方できている人は会社にとってロールモデルです。

ロールモデルとされた人たちは評価をたくさんされるし勉強や経験の機会も貰えるので、より高みを目指します。

周りの人たちはそれを見ているので目標にしたりします。

それも離職率が下がる一因だと思います。

意味の分からない仕事をして、訳の分からない理由で成績が悪かったと評価されて納得する人はいません。

せめて、そこは正しい評価軸で正しく評価をすべきです。

このほかにも盛りだくさん、事業の仕組化について公開しています!

事業の仕組化をご検討中の企業様のご参考になるかと思います!

それでは、佐藤流『事業の仕組化』、ぜひお楽しみください!

~第142回 ゲスト~

佐藤 将之氏

エバーグローイングパートナーズ株式会社

代表取締役

エバーグローイングパートナーズ代表取締役/事業成長支援アドバイザー。

セガ・エンタープライゼスを経て、アマゾンジャパンの立ち上げメンバーとして2000年7月に入社。サプライチェーン、書籍仕入れ部門を経て、2005年よりオペレーション部門にてディレクターとして国内最大級の物流ネットワークの発展に寄与。2016年、同社退社。現在は鮨職人として日本の食文化の発展に携わるとともに、成長企業での15年超の経験を生かし、経営コンサルタントとして企業の成長支援を中心に活動中。著書に『アマゾンのすごいルール』『アマゾンのすごい問題解決』(宝島社)、『アマゾンのスピード仕事術』(KADOKAWA)、『amazonのすごい会議』(東洋経済新報社)などがある。