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今回ゲスト、株式会社ヤッホーブルーイング コンシューマー部門 事業統括 望月 卓郎氏は、

人材ベンチャーの創業に携わったのち、2009年、成長前夜のヤッホーブルーイングにご入社。楽天で10年連続SOY受賞のほか、多店舗展開、SNSへの取り組み、バックヤード改革を進め、

現在のヤッホーブルーイングのEC事業の基盤をつくられていらっしゃいます。

望月さんに「よなよなエールのブランディング」について聞いてみました。

▽ECで実績を伸ばしているのに、なぜリアルに力を入れようと思われたのですか?

ECを始めた当時は無名の状態で、流通で採用されない苦しい時代に背水の陣でECを始めたという背景があります。

メーカーでも直接言いたいことを自由にお伝えできるので、それを喜んでくれるお客さん方がいました。

当初、売り上げは全くないのにショップ投票が異常に多いのがウチの店舗の特徴でした。

それは面白がってくれているお客さんが多くいたからです。

このお客さん方にヤッホービールを飲んで良かったと感じていただくためにはやはり直接会うのが早いというのがありました。

まだ直営店もなかった時に、首都圏のパブで新製品発表に合わせてお客さん向けの発表会イベントをやってみました。

メーカーの人間と直接話すと面白がっていただけるし、うちへの熱量がものすごく上がるのを感じました。

そこがスタートです。

▽それだけ人気があったのは商品が良いだけなく、ページでも面白いことをされていたのでしょうか?

当時の企画ものや商品ページはかなり突拍子もない設定で作っていました。

その理由は我々は商品が少ない為です。

ECの王道であるたくさん商品登録をすることができず、且つメーカーですから定価で値引き競争もしません。

正攻法のECではできることがなく、どうやったら飽きずにページを最後まで見ていただけるかという事をずっと考えてやっていました。

世の中向けのプロモーションというか見せ方はその方がいいと思っています。

▽初めてやるイベントで45人は実はハードルが高いですよね?

我々もそのつもりで行ったのですがイベントの間中ずっと大盛り上がりでした。

楽しかったですし可能性を感じた瞬間でした。

うちは、いつもリアルイベントをやるとスタッフのモチベーションが上がります。

自分たちの商品に「おいしいね」と言ってもらえるわけですから。

普段ECだからこそ大変なこともあります。

でも実際に自分たちの製品を好きだと言ってくださるお客さんを前にして「いつも飲んでるよ」などと言われると気分がとても上がります。

なので社内にとっても大切だと思っています。

うちのこだわりとして、ある規模になるまでずっと社内だけでやっていました。

千人くらのイベントを社内で回さなければいけないとなると終わった後みんな疲労困憊でした。

さすがにこの角度で拡大していったら全て社内でやるのは難しいというのもありました。

あまり究極に拡大させ続けるのが良いのかというのも一つあって、適度なサイズがあるのではないかと現在は思っています。

我々はお客さん同士のコミュニケーションが深まることをすごく意識しています。

▽なぜ、お客様同士の会話を意識するようになったのですか?

弊社の商品が好きだとおっしゃってくださるお客さんを調査してみたところ、仲間、関係性が深まる、顔が見えるというのが挙がりました。

ですのでイベントでもお客さんにニックネームの名札を付けてもらったり、参加型のイベントも多いです。

イベントの時にお客さん同士が対話する機会も設けています。

うちは巨大な飲み会を開催している会社です。

ビールは高級なお酒ではなく比較的ノーリーズンでハッピーになれ仲良くなれる商品です。

だからビール会社がやるとしたらこういうイベントになるべくしてなったのかなという感覚です。

お酒業界はいろいろなタイプのイベントをやっています。

ただ、イベントに来られたお客さんとどう楽しめるかというところが、他の会社さんのイベントとはちょっと違うのかもしれないです。

▽コロナでリアルイベントができなくなってしまいましたが?

おっしゃる通りです。

コロナでリアルイベントを封じられたこの2年は本当に苦しかったです。

オンラインでもやってみましたが規模的にはリアルを超えたのではないかくらいでした。

でもオンラインだと難しい面ももちろんあります。

この2年間で担当スタッフのオンラインイベントの運営スキルは上がりました。

たまにある大型のイベント以外にも密度高く1to1ができる数十人から百人くらいのイベントもたくさんやっています。

リアルほどではないですが、楽しんでいただけている感覚はあります。

我が社では早い段階でイベント専属の部署がありました。

コロナになった瞬間に全員がすごく考えて、オンラインイベントも何種類か試してみました。

お客さんにファンになってもらうにはイベントで一緒に飲む経験をしていただくことは意味のあることだと確信を持っています。

収支的には赤字ですが、お客さんに向けて楽しんでもらうイベントをやる部隊、とにかくコンテンツを作り続ける部隊、カスタマージャーニーを考えてブラッシュアップする部隊などはおそらく他の会社さんよりは充実しているのではないかと思います。

このほかにも盛りだくさん、よなよなエールのブランディングについて公開しています!

ブランディングをご検討中の企業様のご参考になるかと思います!

それでは、ヤッホーブルーイング流『ブランディング』、ぜひお楽しみください!

~第163回 ゲスト~

望月 卓郎氏

株式会社ヤッホーブルーイング

コンシューマー部門 事業統括

人材ベンチャーの創業に携わったのち、2009年、成長前夜のヤッホーブルーイングに入社。代表の井手様よりECの責任者を引継ぐ。

楽天で10年連続SOY受賞のほか、多店舗展開、SNSへの取り組み、バックヤード改革を進め、現在のヤッホーブルーイングのEC事業の基盤をつくる。2018年よりコンシューマー向け事業全般の事業統括に就任。運営サイト「よなよなの里」は、2021年全国ネットショップグランプリを受賞。

◆ヤッホーのコンシューマー事業: CRM、 EC、オウンドメディア運営、イベント運営、お客様相談室



◆公式EC店: 自社本店、楽天市場店、Amazon店、Pay Payモール店、au Payマーケット店

◆公式SNS: Facebook、 Twitter、 Instagram、 LINE