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本日のプレイリスト:https://spoti.fi/3zV4uij

 (今回のメンバー:キョン、ソキウス)  

「フェチ」の中身は多彩。

今回は以前配信した「各々のポータブルオーディオ事情」の回( https://spoti.fi/3FPYr0j )の続編的な回。

iPod touchの新規販売の終了により、ポータブル音楽プレイヤーの一時代を築いた「iPod」ブランドの歴史に終止符が打たれたといういくつかのニュースをきっかけに、現・iPod classicユーザーのキョンと、元・iPod classicユーザーのソキウスという「iPod『フェチ』」たちが、自身のそして(自身を含めた)集団としての音楽生活について語り、考えていきます。

【参照:今回参考にしたニュース( https://bit.ly/3DlnbP2、 https://bbc.in/3CVgv93 、 https://bit.ly/3ToD653 など)】

まずはキョンのiPod事情を語ってもらうことに。

キョンはポータブルで音楽を持ち歩くようになった当初からiPod classicのユーザー。それに何らかの修理が必要になる機会が何度も訪れているものの、買い替えはせずに「どうにかして何とか今も生きながらえさせている」状態とのこと。

今後迎えることとなる、iPodが使えなくなった場合の対応について尋ねられると、修理する店が営業し続ける限りは、「多少高い出費になってしまおうが」「背に腹は代えられない」ものとして捉え、iPodを「使い倒したい」と答えました。

この回答を受けてソキウスは、「なぜiPodを持つことにそこまでのこだわりを持っているのか」という問いをキョンに投げかけます。

その理由としてキョンがまず挙げたのは「大容量」。それに対してソキウスが、ポータブルオーディオプレイヤー(DAP)のここ数年における状況についての補足を挿入し、その理由に(個人の感覚としてのそのような理由を抱くこととは別の次元の話だということを大前提としたうえで)機械としての機能の優位性を挙げることに絶対的な根拠があるわけではないことをここで確認します。

それを受けてキョンは別の理由として、イントロクイズ的な情報を記録する方法としてiPodとiTunesの組み合わせを前提としたシステムを自身が構築しているため、(iPodとの対抗軸としてキョンが考えている)「ウォークマン」に乗り換えることは「非常に手間がかかる」ということを、「自分の今まで使っていたものを使い続けられる」ことが「安心感に繋がる」という自身の心情と絡めて回答。こちらの理由にソキウスは、その「なんとなく」聞いていた情報とは多少異なるものとして、キョンの言う対抗軸としてウォークマンを置くことの妥当性を問える可能性についてのコメントを残しました。

その上で、(先ほど挙げた「妥当性」へのコメントと併せる形で)今回のニュースでも言及されていた「iPhoneの大容量化」などのハード面での動向という点と、キョンの言う「手間」はiPodを使い続ける理由としては不十分だろうという点をキョンに再度尋ねたソキウス。

これにキョンは「Mp3tag」を用いた自身の記録システム環境という事情と、「今まで使ってきたものへの愛着」、言うなれば「今の生活から変化することへの躊躇い」について言及しました。

【参照:「Mp3tag」が話題に挙がった「ビットレート」回( https://spoti.fi/2WWiYzb )】

どうやらこの「躊躇い」には、iPodがすぐに使えなくなる事態をキョンとしては想像できない、その事態以降の状況について考える「余裕が無い」ということも関係してきそうです。

イントロクイズ的な情報を記録する上でのハード面に関するキョンの試行錯誤を確認したうえで、続いては各々(特にキョン)の「iPodへの『フェティシズム』」[imdkm 2022]の実態に迫ろうとします。

この「フェティシズム」についてキョンは、「今まで使ってたものを乗り換えるのは『簡単ではない』」と答えたので、すかさずソキウスが反応。本当にそれは「簡単ではない」ものなのかが、今回の内容の中では重要な点だとソキウスは考えています。という訳で、キョンにとっての「簡単ではない」思いについて自己反省をしてみると、そこに現れたのは「(iPodへの)愛着/執着」。iPodという「ガジェット」が持つ独特な機能や質感についても触れた上で、この回の前半で語られた「愛着」の様子を「フェティシズム」という観点と結びつけて再度見ていきました。

この回の最後に、ここまでの内容と直接的な繋がりはないが、(DAPの所有という点で言うなれば)関連するキーワードとして挙げることは出来る「音質」と、音楽生活の関係について、メンバー自身の回答結果も参照しながら、その分析結果[南田ほか 2019]を対話の場に導入します。

【参照:音楽生活の調査回《対話編》(前編)( https://spoti.fi/3x8W07f ) 、(後編) ( https://spoti.fi/3nUDUQM )】

具体的には、音質を優先する態度と何が統計的に有意な正/負の相関関係があるのか、またはあるとはいえないのかの関係、さらには、その態度と「自分の聴く音楽を優れていると思うか」どうかという質問との関係についての分析 -なお、2002年の調査よりかは音楽に記号性を見出す傾向は弱まっている- が話題となりました。

【参照:「自分の聴いている音楽が優れていると思うか」という質問が取り上げられた「音楽生活的な『老後』回・延長戦」( https://spoti.fi/3zIRyNB )】

<今回紹介した分析結果>

①音楽聴取時間の長さ・音楽関連支出に正の相関、録音作品よりも生演奏の方が「本物」だと思うに正の相関、配信があればCDパッケージは不要に特に有意な相関は無し

②好きな音楽ジャンルでは、J-POP、演歌・歌謡曲に負の相関

クラシック、洋楽ロック、洋楽ヒップホップに正の相関

③音質優先意識が高い群は自分の聴く音楽を優れていると思うかにやや高い率で賛同

なおこれらの分析結果を見ていく中でキョンが漏らした、音質と音圧の関係の捉え方や、「納得」「(分析結果が)おかしい」といった言葉から垣間見える「自身が抱いた『違和感』の重視」は今後の回でも話題となるのかもしれません。

【本日の一曲】

 毎回最後に1分以内で今紹介したい1曲を持ち回りで語ってもらう「本日の一曲」。

 今回はキョンが、文字通り「大好き」な曲を紹介。

キョンと歌詞との微妙な関係?

【今回のキーワード】

iPod/ポータブルオーディオ/Mp3tag/愛着(「フェティシズム」)/変化への躊躇い/音質/音質と音圧の関係/音楽生活/音質と音楽ジャンル/違和感を重視すること/高橋由美子

【参考資料】

BBC NEWS JAPAN, 2022, 「アップル、iPodの販売終了へ 21年の歴史に幕」, BBC NEWS JAPAN, (2022年10月22日取得,https://bbc.in/3CVgv93).

imdkm, 2022, 「iPodの登場は人々の聴取体験をどう変えたのか」, 音楽ナタリー, (2022年10月22日取得,https://bit.ly/3ToD653).

南田勝也・木島由晶・永井純一・小川博司編著; 溝尻真也・小川豊武著, 2019, 『音楽化社会の現在: 統計データで読むポピュラー音楽』新曜社.

マネーポストWEB, 2022, 「iPod touch販売終了で『代替機をどうすれば?』ユーザーたちの切実な悩み」, マネーポストWEB, (2022年10月22日取得,https://bit.ly/3DlnbP2).