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本日のプレイリスト:https://spoti.fi/3kqdMem

(今回のメンバー:キョン、やすお、ナル、ソキウス)

Global Hits From Japan 2020というプレイリストをきっかけにして広がるトーク。

「Global Hits From Japan 2020」( https://spoti.fi/3zH60TP )という、海外で再生された日本の楽曲ランキングを集めたプレイリストの感想からトークの内容を広げていきます。

まずはこのプレイリストを見た時の第一印象を聞くことに。

(このメンバーであるということを差し引いても、)「アニメソング」のランクインが多いように見えるというのがおおよそ全員共通の見解。

併せて、LiSAやジャンプ作品のアニメ、ボーカロイドなどのキーワードも個々人から挙がります。

ソキウスはそれに加えて「シティポップ」と称される楽曲群の存在も指摘。

海外でのシティポップ的な楽曲の受容に取り巻く複雑さ(cf. 山元 2021a, 2021b)を考えることは、アニメソングの受容のされ方を考える上でも大切だというソキウスの意見も暗に示されています。

ここで話題をアニメソングに戻し、現段階で各々が思う「海外から見た日本の楽曲へのイメージ」を出し合います。

ナルが挙げるのは「かっこいい曲」、特にロックバンドの楽曲。

ONE OK ROCKなどといったロックバンドの海外展開が関係しているのではという内容を受けて、ソキウスはアニメソングの海外での受容のされ方に関して、バンドとしての動きはアニメ作品的な文脈と繋がっていると思うかどうかナルに尋ねます。

「アニメ作品ありき」なのではないかという回答を受けて、そのようなロックバンドの楽曲を使用するアニメ作品には類似性があるのではないかというのがソキウスの考え。

キョンはナルの考えも頭の片隅に置く形で、「テンションを上げさせる曲」という言い方で自身の考えを総括。

作品への「没入」感を高めさせるものとしてテンションを上げさせる曲を出すキョンに対し、テンションを上げさせるわけではない作品やそのような作品に使われる楽曲も高い人気がある状況をどう捉えるのかと問うてみるソキウス。

キョンとしては、作品とのリンクという「近さ」(土橋 2019) の側面をどちかというと重要視している様子。

ここで挙げられる「日本語(=その人の母国語ではない言葉)の歌詞」という視点は、後の「補助線」で再度触れられます。

やすおは作品の人気という観点から見て、ランクインすることに自身が意外に感じた楽曲を例示。

やすおが意外に感じたその理由は、これまでの回に即して言うのならば「難易度( https://spoti.fi/3ljEiXv )」や「出題価値( https://spoti.fi/3A3uJlH )」という競技イントロクイズ的な文脈で扱ったテーマとも繋がる可能性を秘めています。

各々の意見が何となく出揃ったので、ソキウスが考えるこの話題に関係がありそうなデータや先行研究を対話の「補助線」として提示。

JASRACが発表している海外からの著作権料の実態(cf. 日本音楽著作権協会 2021, 烏賀屋 2005)、日本のアニメ作品が持つ「無国籍性」(cf. 玄 2014, 津堅 2004)、その他にも海外のアニメ産業の構造、非合法な手段による視聴の影響(「ダークエネルギー」(Condry 2013))、(先ほど触れた現地語での歌詞とも関係がある)「ファンサブ(fansub)」の存在(cf. 日高 2019, 三原 2010)など。

これらは今回扱ったプレイリストについて考える視点の一部でしかないですが、改めてこれらを踏まえて今回のプレイリストを再度見てみる回を設ける予定です。

【本日の一曲】

毎回最後に1分以内で今紹介したい1曲を持ち回りで語ってもらう「本日の一曲」。

今回はナルが、夏真っ盛りな楽曲を紹介。

収録時は真夏でした。

【今回のキーワード】

「Global Hits From Japan 2020」/アニメソング/シティポップ/ロックバンド/作品への没入感/その人の母国語ではない言葉の歌詞/海外からの著作権料/日本のアニメの「無国籍性」/「ダークエネルギー」/ファンサブ/渡辺美里

【参考資料】

Condry, Ian, 2013, The Soul of Anime: Collaborative Creativity and Japan's Media Success Story, Duke Univ Pr. (島内哲朗訳, 2014, 『アニメの魂―協働する創造の現場』NTT出版).

土橋臣吾, 2019, 「ウェブ的音楽生活における洋楽の位置」南田勝也編『私たちは洋楽とどう向き合ってきたのか: 日本ポピュラー音楽の洋楽受容史』花伝社, 278-306.

日高良祐, 2019, 「Jポップを輸出する――『音楽メディア』としてのアニソン」南田勝也編『私たちは洋楽とどう向き合ってきたのか: 日本ポピュラー音楽の洋楽受容史』花伝社, 244-277.

玄 武岩, 2014, 「越境するアニメソングの共同体:日本大衆文化をめぐる韓国の文化的アイデンティティとオリジナルへの欲望」『国際広報メディア・観光学ジャーナル』北海道大学大学院国際広報メディア・観光学院, 18: 25-47.

三原龍太郎, 2010, 『ハルヒ in USA : 日本アニメ国際化の研究』NTT出版.

日本音楽著作権協会, 2021, 「歴代JASRAC賞」, 日本音楽著作権協会ホームページ, (2021年9月15日取得, https://www.jasrac.or.jp/profile/prize/backnumber.html)

烏賀陽弘道, 2005, 『Jポップとは何か―巨大化する音楽産業』岩波新書.

津堅信之, 2004, 『日本アニメーションの力―85年の歴史を貫く2つの軸』NTT出版.

山元翔一, 2021a, 「シティポップの世界的ブームの背景 かれらの日本という国への目線」, Kompassミュージックガイドマガジン, (2021年9月15日取得, https://kompass.cinra.net/article/202107-citypop_ymmts).

――――, 2021b, 「2021年、シティポップの海外受容の実態 Spotifyのデータで見る」 , Kompassミュージックガイドマガジン, (2021年9月15日取得, https://kompass.cinra.net/article/202107-citypop2_ymmts).