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(今回のメンバー:キョン、やすお、ナル、ソキウス)

割と似た傾向の集団ではあるが、実は…

≪質問編≫での全員の回答まとめ:https://bit.ly/38UXnNw

今回と次回は、前回の≪質問編≫( https://spoti.fi/3wWXTDH )で得た回答を基に様々な方向に話を広げていく≪対話編≫。

この≪対話編≫では調査の「分析」の部分をあまり取り上げることは出来ませんが、ひとまずはこのメンバーの全体的な傾向や、この調査が依拠している、そしてこれまでにも「社会環境」といったキーワードで触れてはいたような議論の蓄積の一端に触れることをその主目的としています。

【参照:音源量回(後編)( https://spoti.fi/3637Nco )】

その前編となる今回は、気になった回答をピックアップしながら進めていきます。

初めに各々が気になった質問を確認。

その後に、音楽に関する行為の一つとして「ヒットチャートの順位」の確認をするかどうかがまず話題に挙がります。

この質問に対してキョンが「あまりしない」と答え、このメンバーの中では差が出ていたのでその真意を尋ねると、「相対的に見て、してない」だけで、そしてその「相対的」も、イントロクイズを出題するときに限って「周りにいるイントロクイズプレイヤー」との比較での要素が大きい様子。ここから、質問への想定の違いが回答の差として現れたことが見えてきます。

続いては音楽に関する意識の項目の中から、「音楽はひとりでじっくり聴く」をピックアップ。

ここでの他3人の回答とやすおのとの微妙な差の「理由」を探ってみると、やすおは「ライブの経験」が他3人より大きいのではないかと回答。

ソキウスは、以前のRemix音源回( https://spoti.fi/3z7m1Fs )で扱ったような「ライブ文化」と「ディスク文化」の違いがそこには関係してきそうだと考えています。

次に取り挙げたのは「自分の音楽の好みを知人・友人に知ってもらいたい」。

ソキウスはこの項目をイントロクイズ的な態度と関連付けながら、ナルやキョンの「そうだ」というその強い思いに迫ります。

ここでのナルの「自然に」自身の好みの楽曲を関連付けて出題する態度や、キョンの自身の「知ってる」「好きな」楽曲を「正解してもらえたら嬉しい」という感覚は、この≪対話編≫でも後に再び検討されます。(詳しくは後編参照)

これらの回答を受けてソキウスは、自身の中にある葛藤のようなものを「コモン・ミュージック」概念と関連付けながら提示。

【参照:出題者回(前半)( https://spoti.fi/2STzBJQ )、新世代のコモン・ミュージック回( https://spoti.fi/3wiaelQ )】

もし「クイズはコミュニケーションである」のならば、自身の好きなものを知ってもらいたいという感覚を単純に肯定していいのかという論点を二人に投げかけ、それを今後の回にも繋げていきます。

【参照:正解が全く出ないイントロクイズ回( https://spoti.fi/3PN9ooJ )】

続いて、惹かれる音楽の要素の項目へ。

過去の回の内容とも関連付けながら、気になる回答を見ていきます。

【参照:詞or曲回( https://spoti.fi/3KBT5Zh )】

まずは「楽曲のサウンド」の点で、やすおに「あまり惹かれない」理由を質問。

これに対しやすおは、批評回で述べていたような「良し悪しを判断する」「基準」が自身に備わっていないからだという言葉で返答したので、ソキウスは、やすお自身の中でさえも何かしらの(その感覚を表現する適切な言葉が思い浮かばないという意味ではない)判断は難しいことなのかどうかを改めて尋ねます。

【参照:批評回(前編)( https://spoti.fi/3IzdzRn )、批評回(後編)( https://spoti.fi/3eqrcER )】

やすおはそのような判断をすることに自身が「重きを置いてない」からだろうと振り返りますが、その一方で、自身が良いと思っている作品への言葉を「出せていない」のは、自身が良いと思っているものを未だ探し続けていると感じていること、さらに「世間的な良し悪し」という尺度が一種の「バイアス」になっているかもしれないということを語りました。

次にソキウスが触れたのは「音楽家のパフォーマンス」や「ビジュアル」などの音楽の視覚的要素。4人の中でもはっきりと差が出たこれらの項目でその実状を探ります。

ナルにとってパフォーマンスというものは、何かしらの評価軸として「加点もしないし原点もしない」もの。

やすおはここでもライブ経験を想定し、アーティストとしての「本分」としてやすおが考えている演奏やパフォーマンスには強く惹かれるが、同じ視覚的要素ではあるビジュアルに対しては「あまり惹かれない」という自身の中での評価の付け方の違いを説明します。

これを受けて同じ視覚的要素ではあるビジュアルについてナルに尋ねると、やすお的な「本分」の捉え方はしていないが、「おまけ」としてビジュアルが良いとなお良く感じるという感覚を明かしました。

そしてキョンはビジュアルに「何も興味が無い」と語るとおり、やすお的な感覚を音楽家のビジュアル面で更に特化させたものとしてその感覚が現れていますが、その詳細を探ってみると、他2人ともまた違うパフォーマンスの捉え方があることが見えてきました。

ここで子どもの頃の経験の項目を後回しにすると宣言したソキウス。(この点は後編の主なテーマとなっていきます)

その上で音楽情報を得る媒体の項目へ移ると、この項目では4人の中で大きな差が無い様子。ただその中でも微妙に違っていた項目として、ナルの「家族・恋人」とやすおの「カラオケ」を確認していきます。

そしてこの回の最後に確認したのが、好きな音楽のジャンル。

ここでも4人であまり差が無いことを確認し、その上での違いを引き続き見ていきます。

まずはやすおの「アイドル」について尋ねると、アイドルという文化が好きというよりかは、好きな音楽にアイドル文化由来のものが多かったというだけでした。

次にナルの「映画音楽・サントラ」。これもその音楽ジャンルや文化というより、イントロクイズ的な(特に出題者としての)音源収集をする中で、作品とともに制作されるインスト楽曲を広くBGMやサントラ的なものとしてナルが捉えていることが分かってきます。

そして、キョンが「その他」のものとして特段挙げたいくつかのジャンル。

今回の質問項目を抜粋した調査で行われていた「参照」や「選抜」という「推察」[南田ほか 2019: 51-52]にも触れながら、キョンがここで「その他」として挙げたジャンルに対して抱いている感覚を対話の俎上に挙げます。

ここで論点となった「音楽ジャンルとは何か」については、今後また別の回で取り扱う予定です。

次回の後編では、今回スキップした子どもの頃の経験という項目がその前提としている「趣味の社会的側面」をアカデミックな議論の文脈を参照しながら出来る限り精緻に言語化していきます。

さらには今後の回へ繋げていくために、実際の調査結果の数値と比較しながら、このメンバーが抱いている感覚以外の感覚に触れていきます。

ぜひ次回もお聞きください。

【今回のキーワード】

音楽生活/音楽チャート/ライブ文化とディスク文化/「好みを知ってもらいたい」/「クイズはコミュニケーションである」/批評/審美眼/「理屈」と「感覚」(「バイアス」)/音楽の視覚的要素/音楽情報を得る媒体/音楽ジャンル

【参考資料】

南田勝也・木島由晶・永井純一・小川博司編著; 溝尻真也・小川豊武著, 2019, 『音楽化社会の現在: 統計データで読むポピュラー音楽』新曜社.

青少年研究会, 2016, 「『都市住民の生活と意識に関する世代比較調査』単純集計結果(16~29歳)」, 青少年研究会 Japan Youth Study Group, (2022年6月1日取得,http://jysg.jp/img/20160331_1629.pdf).